小諸宿(こもろじゅく)は、長野県小諸市に位置する北国街道の主要宿場のひとつで、小諸城の城下町と一体となって発展した珍しい形の宿場町です。城下から少し下がった位置に宿場が展開し、「下町」に広がる古い商家や土蔵が今も残されています。
歴史背景
- 北国街道の重要宿場:北国街道が整備された江戸時代初期から、小諸宿は交通・軍事の拠点として栄えました。宿場とともに小諸城の城下町としても発展し、他の宿場町とは異なる重層的な歴史を持ちます。
- 城下町と一体化した宿場:城のすぐそばに宿場があることから、「御城下宿」とも呼ばれ、街道を通る大名や旅人だけでなく、武士や商人たちの往来も多くありました。
- 文学とゆかりの深い町:明治以降は、島崎藤村が教鞭をとった「旧小諸義塾」や、藤村記念館があり、文学の町としても知られます。
見どころ・現地での楽しみ方
- 懐古園(小諸城址):日本で唯一、城下町より低い位置に築かれた「穴城」。城跡公園として整備され、藤村記念館、動物園も併設。

- 北国街道「本町通り」:宿場時代の名残をとどめる商家、蔵造りの建物が並ぶ。特に「丁子屋」や「水明楼」などが印象的。

- 本陣跡(現・大手門公園):宿場の中心であった本陣跡。案内板などが整備されている。
- 藤村記念館:小諸ゆかりの作家・島崎藤村を紹介する記念館。懐古園内に所在。文学ファン必訪の地。
散策ルート(例)
小諸駅 ➝ 大手門公園 ➝ 本町通り ➝ 懐古園 ➝ 藤村記念館
所要:約1.5時間(文化+歴史散策としておすすめ)
アクセス
- 鉄道:しなの鉄道・JR小海線「小諸駅」から徒歩すぐ
- 車:上信越道「小諸IC」から約10分
- 周辺スポット:あぐりの湯、マンズワイン、布引観音など
💡 メモ
- 本陣・脇本陣・問屋場の遺構は明確には残っていませんが、町並みに面影が残ります
- 小諸駅前に観光案内所あり。マップや街歩きパンフが充実