『LIVE EVIL』Miles Davis 1970年

『LIVE EVIL』Miles Davis 1970年レコーディング。
サックス奏者のスティーヴ・グロスマンが8月13日亡くなったらしい、69歳、残念です。
そのスティーヴ・グロスマンが参加してる『LIVE EVIL』。
マイルス・デイヴィスは『Bitches Brew』を1969年8月にレコーディングして
この新たな音楽に自信を深めたのだろう、次々にライヴを展開する。
そしてメンバーも入れ替わるが、異なるメンバーでも凄い演奏、
1970年末のライヴと1970年1月のスタジオレコーディングを2枚組にした
『LIVE EVIL』はライヴの凄い迫力とスタジオ曲ではWeather Reportのような
雰囲気を醸し出している。
なによりこのジャケット、『Bitches Brew』を描いたMati Klarweinのペインティング。
インドの様式美に近いらしい。
お腹の大きい美しい黒人女性のほう(右)がジャケット表で裏に当たる表4(左)が、
醜い金髪で白い肌のモンスター。マイルスも黒人としてのプライドが誰より高い人。
Black Lives Matter
演奏ではベースのマイケル・アンダーソンが凄い。この人、全くジャズの人じゃない。
これ以後このベーシストがずっと務める。
ディジョネットとアンダーソンのグルーヴは必ずしも合ってはいないので、
アンダーソンの場合はアル・フォスター待ちということになる。
そしてここではキース・ジャレットのエレピ、それもエフェクター付き、
が凄いグルーヴ感を見せる。マイルス・バンド以後はエレピはまず弾いていない
と思うので今となっては貴重かも。チックとかハンコックほど和声的なレベル高くないので
逆にシンプルに聴きやすいとも言える。
ジョン・マクラフリンのギターはここでも凄すぎ。
勿論マイルスのトランペットも絶好調!もう夜店で酒のツマミのジャズ音楽からは
完全にさよなら、ワウペダルも多用し、同じ音での音色変化でまるで
パーカッションのようなフレーズだったり、
これは上手いとは言えフレディ・ハバードにはない発想。
先駆的にそういうところに行けるというのがアーティストだと思う。
ソプラノサックスはスティーヴ・グロスマンはスタジオ曲に参加。
この時期はデイヴ・リーヴマンと並んで注目の若手だった。
そして『LIVE EVIL』にはゲイリー・バーツというアルトとソプラノの
持ち替えのサックス奏者が登場、ここでのライヴ曲はバーツ。
そしてこの後のマイルスでは『On The Corner 』が面白いし凄い。
『On The Corner 』はクラバーやヒップホップから再評価されたというのも興味深い。
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