『Blue & Lonesome』ブルースのカバー集!

カテゴリー: ミュージシャン
投稿者: suoyon

【2016年12月07日】
Blue&Lonesome2


『Blue & Lonesome』Rolling Stonesが11年ぶりに新作アルバムをリリースした。ミック・ジャガーやキース・リチャーズは元々ブルースバンドとしてRolling Stonesをスタートさせたのでこのブルースのカバー集は原点回帰のようなものでなんの違和感もない。
エリック・クラプトンがゲストでいいソロしてる。

しかしミック・ジャガーは今73歳、レコーディングした頃は72か。声は全く衰えていないばかりか、めちゃめちゃノリノリでそのニュアンスは若い時より進化している。それだけこういうブルースには身体に染み込んだ、いやいやブルースそのものに身体がなっているのかもしれない。ミックのこと知ってるつもりでも、この入り込みの凄い歌唱にはちょっと驚いた。
ミックのブルース・ハープも大活躍しているし、ステージのパフォーマンスと同様に歳とって渋くなるのではなく、前向きなパワーに溢れたブルースフィーリングで歌を聴かせるのがミックの特徴で、ブルースが情けない心情や黒人の差別や悲しみをダブルミーニングで表現したところを更に居直ったりするのだが、ガンガン来るミックのブルースに情緒的な悲しみはないタイプのBluesだ。

レコーディングはほぼ一発録りでオーバーダビング無しで3日間で録り終えたという。これも現代機器が発達しすぎて間違いなど直せる時代にあえて荒削りのままスタジオ・ライヴ風に録ったことは興味深い、、、というか50年前彼らがデビューした頃に戻ったスタイルだ。僕もこの人達のお陰でBluesが原点になっちゃってる音楽人生を歩んでいるので・・・・・そうそう高校の時やってて自分でも歌ってた「I Can’t Quit You Baby」を今回ストーンズがやるなんてね。
この曲のミックの歌唱はハイライトだ!

ミックやキースはこういうシカゴブルースやR&Bが原点とも言えて、『Beggards Banquet』の頃アメリカルーツ音楽へのリスペクトと解釈の音楽、その後メジャーバンドになりアメリカに頻繁に行くようになると南部マッスル・ショールズでのレコーディングやレオン・ラッセルらのスワンプの影響(LAも拠点のひとつ)でスワンプヒット作「Tumbling Dice」などを作り、その後は「Miss You」「Undercover」など、ニューヨークだろうか。アメリカって場所による音楽の底深さがあるって面白い。