周防義和 表紙になる!!!

カテゴリー: 雑感
投稿者: suoyon

【2014年09月29日】

 

表紙になっちゃいまいした!

ローランド系の「RET'S PRESS」9月号です。本ページでも2ページに渡って僕へのインタビュー記事が載っています。インタビューでは映画『舞妓はレディ』の作編曲話しを中心に「ノンジャンル音楽を生み出す多彩なアイデアの引き出し」ということになっています。

 

ローランド系の雑誌RET'S

 

「ノンジャンル」・・・簡単にそういうけれど、凄く意識してそういう作曲編曲をしているわけではない。

僕は理論書も書いたし「熱き情緒派」という感じではないことになっているが、最初と最後は熱き情緒かな、と。

お手本通りというのが好きじゃないせいで、外れていく、崩れていく、そこをどうにかバランスとっていく。

そのどうにか踏み外しバランスとっていくうちに上手く行くと「ノンジャンル」と言われるところに落ち着く。

過去に作られた偉大なる音楽、それらを理論的にはお手本にすべきところはあるが、時代が変われば価値観も微妙に変わる、なにかちょっとでも異質なものをブレンドさせていきたくなる。それらが全部ノンジャンルじゃないけど、異なるもの、それはオリジナルに向かう精神だ。ノンジャンルとか言葉は本来どうでも良い。

 

映画『舞妓はレディ』の主題歌「舞妓はレディ」はメロディだけで判断すると、まあ歌謡ポップといったところでしょうか。イントロの弦楽の伴奏は2ビート系ではあるけど、この2ビートといったの白人系のリズムは実は余り好きではなく、そういう時でも大きなうねりにしたくなり、純粋2ビートから外れていく。そうなんです、外れて行っちゃうのが俺流かな・・・

この歌のサビ前のコードはドミナント7thが来るが、そこで僕はダイアトニックのドミナント7thを外し、Alterd Scaleを用いて普通のポップ音楽から外れていった。オルタード・スケールなどはJAZZ系で使用されることの多い特殊な音階。尚且つ弦楽が3連の仕掛けフレーズをTuttiで奏するので、またまた伴奏としてはかなりとんでもないことにはなっている。間奏や後奏での木管が高い音域での断片的なフレーズはブラジル風味かもしれない。

チック・コリアの特徴的なスタカートの影響でもある。

 

この主題歌は周防正行監督の最初の脚本での歌詞に作曲したものをシンガーソングライターの種ともこが共同作詞者として新たな歌詞を作り、それを基に再び僕が作曲リテイクした、というプロセスだった。

主演の上白石萌音はレガートがとても伸びやかに気持ちいい日本語を歌ってくれた。レコーディング当時15歳の彼女はまだ未完成かもしれないがパッと歌ってこんなに滑らかに表現出来る人はなかなかいない。流行とかに囚われない歌手でずっと歌っていて欲しいシンガーだ。

 



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