カテゴリー: 雑感
(2022年12月23日)
投稿者:suoyon
藝大講座2022


東京藝術大学大学院での市民講座、終えました。
アンケート結果は「大変満足」がほとんどで大好評!
手応えはありましたが、ありがたきこと、今後への励みです。
また「周防義和先生のザックバランな性格、
軽妙なトークに笑いがとまらなかった」
なんていう感想、僕は決して芸人目指してるわけではないです!
しかし、まあ楽しく講座を進められたことは嬉しく思います。
これは以前に埼玉県立大学で酒井道久教授(彫刻家)に
「周防君、お昼後の講義で眠たくなる時間だからなんか面白いことやって!」
っていうオーダーが発端です。
その時はキスシーンの音楽を解説、学生の皆さんは誰も居眠りしませんでした。

映画ってよ~く観てると、実はツッコミどころ満載なんです。辻褄を合わせて、
ありえないことを真実のように、感じさせ、時には社会的な問題もテーマにし、
時にはただいい意味無駄な時間、時に夢を与えちゃったりするので、
それをちょっと指摘して、ツッコミいれます。
お笑いのボケとツッコミとかノリツッコミの理論って、音楽でいう、
作曲の2-5-1という終止形のフォームと同じだと考え、それを取り入れている、
という、深いハナシです。(この2行マジメにとらないで!)
真面目に行くところはマ・ジ・メに行ってます。

昔の映画と現代の映画での音楽の入り方や役割、音楽性の違いを
わかりやすく解説したことが伝わったのは良かったと思います。
またCMもちょっと題材にいれましたが、多くの人はCMって
適当に合いそうな音楽入れてる、くらいに思ってるんです。
綿密なやりとり、プロセスを経てるんです、ということですね。

また自分が思春期から青春期の頃、映画の影響受けたことは確かですが
あえてその頃の映画を省いています。
(複数に渡り講座がある場合は3回目以降に出しますが)
思春期青春期は自分自身の思い出付き、またはまっさらだった自分に
影響を受けるのは当たり前で客観性にかけます。
ですのでそれを省くことで世代的なギャップも多少埋められます。
あの世代はそうなんだよなあ、っていうのを少し軽減です。

まあそれくらい引いてみても結局は自分の感性がどうしても出てしまうので
若い頃影響受けたものは一度、横に置いといたほうが良いです。
または好きだけど、その短所を指摘できるくらいになってれば良いです。
そして映画評論家、学者ではないのでそういった知識、情報はとても及びませんので
映画音楽を作曲した、という実務の経験上からの観点です。
それと自分の映画音楽の代表的なものもナシでした。勿論それはやりたいんだけど、
そこ迄辿りつけないうちに時間になっちゃった。

また映画プロデューサー桝井省志氏との対談で映画音楽テーマ曲のタイアップの件など、
一般の方には関係はないがある意味業界の「闇」とまでは言わないまでも、裏話を
ガンガン話しちゃったのは実はスゲエこと。
桝井さんも正直なところで発言してました。

今まで日進市、越谷市、大和市、江東区古石場文化センター、など
の自治体の講座でも好評を得てきましたので、これは続けたいと思います!
皆さん、ありがとうございました!
カテゴリー: 雑感
(2022年11月19日)
投稿者:suoyon
花園アウトレットKORG2


アウトレットに楽器屋が!!at Hanazono
びっくりしたあ、KORGの店がこんなところに・・・
入るとすぐの棚にはエレキウクレレ、トイピアノのグランドみたいなやつとかがあった。
KORGといえば
1978年頃にPS-3100っていう日本最初の頃のポリフォニック・シンセを
当時55万円で購入!しばしこのシンセを多用してた。
その前にヤマハのモノのシンセ時代あり。
それには8音だけのシーケンサーがついていてこれもけっこう使った。
それから45年くらい経ったかあ・・・
カテゴリー: 映画音楽
(2022年10月29日)
投稿者:suoyon
コクトオ桃色 (1)

配信ドラマ『シコふんじゃった!』が26日からディズニープラスで世界配信!
1991年の映画版『シコふんじゃった。』
から30年経ったという設定での全10話からなるドラマ。
主演の葉山奨之の飄々とした感じ、伊原六花の身体の柔らかさからくる四股の
美しさは撮影現場でナマで見たが見事!プロの力士でもなかなかいない四股(シコ)。

音楽は1991年映画版の雰囲気を踏襲したのが、
ハバネラ風ピアノ曲(写真はその1991版の譜面の主要モティーフ)、
弦楽のキザミ的な曲、弦の軽いコメディタッチの3曲。
あとは
10話からなるドラマなので脚本段階で約30曲を作曲しデモ制作。
それが4月から6月辺り。そして5月頃クランクインし、1話2話とラッシュ映像を
観てどうしても必要なタイミング合わせ等の曲も作曲。
また片島監督はじめ4人の監督の要望のあるシーンの音楽が数曲あり、それらを作曲。
7月に生楽器のレコーディングを行った。
木管(Fl,Cla)、弦楽(6-4-2-2-1)、アコーディオン、鍵盤パーカッション(Marimba,Glocken)、
ラテンパーカッション、ギター(Elec)、ウクレレ、バンドゥリア、ピアノ、ベース、ドラム、
プログラミング、メロディオン、ヴォーカル等。

このレコーディング時点ではまだ2話までしか撮影が終えていないので、
レコーディングは終わったのに、自宅でできる限り可能な対応での作曲の追加やエディットをした。
僕のPCにはバリエーション混ぜると80テイクの曲が並んでいた!

またラッシュ映像が次々と出来てくると音楽チームの
僕とJirafaでシーンのどこにどの音楽を入れるかという作業を行った。
本来作曲家はこの作業はやらない場合が多いが
僕の場合は映画では勿論すべて自分で判断し、その後監督の要望もあるし、その調整で決めて行くスタイル。(1998年からそうしている)
10話のドラマ全部をやるのはすごいすごい大変な作業だったが、
音楽の配置場所を決めるという作業はある意味もっとも大事なので納得した仕事にはなる。
そこでは音楽の編集もありになるので時間がかかる。
またスタッフに「音楽編集」の方もいるのでデモでラッシュに音楽をつけたら本番は
音楽編集者とメールのやり取りで決定版を決めていく。
そのプロセスで音楽編集者(佐藤さん)のアイデアもあったりして助けられてはいる。

ただ10話全部やってプリミックス、MAにもほぼすべて立ち会ったので大泉東映の
MAスタジオには20日間は行ったことになる。
3月末からすべてのMAが終わる9月頭まで休み無く働きました。(その間の講師仕事もあったしね)
また音楽プロデューサーなしで行ったので、これはある意味大変だが映像側とダイレクトな利点もある。
ちゃんとした音楽プロデューサーなら良いがCMのような段取りで
仕事する音楽プロデューサーは絶対良くない。
またいちいちサンプルだのかんだのっていいうのも嫌だ。1曲や2曲の規模じゃないんだから。

また1991年映画版でエンドテーマ曲の「林檎の木の下で」(歌:おおたか静流 編曲:加藤みちあき)が
大好評だったので今回、この曲を劇中でインストやスキャットで使用することになった。
しかしJirafaが試しに英語歌詞で歌ったところから「いいんじゃない!」っていうことになり
エンドテーマ曲にということに出世!?してしまった。
嬉しきハプニング。なのでクレジットが間に合っていない、ということになった。
(編曲はJirafa。最終話でクレジットされます)

1991年版では作曲家の故佐藤勝さん(黒澤映画でもおなじみの巨匠作曲家)に当時の
日経エンタテインメント誌で音楽のお誉めのお言葉をいただいた思い出があるが、
その記事を見つけてくれたのがおおたか静流さん。
今回の最終話のMAの日に加藤みちあきさんから訃報を聞き、呆然となってしまった。
おおたかさんにも今回の作品の報告しなくちゃって思ってたのに・・・
10話の新たな『シコふんじゃった!』が完成した。

写真は1991年版の劇中メイン曲の1節。キーはGだがc#なのでリディアン。
このGlydianとF#が繰り返すパターンが出だし部分。
カテゴリー: ミュージシャン
(2022年09月13日)
投稿者:suoyon
おおたか静流


シンガーおおたか静流が9月5日に逝ってしまった、肉腫とのこと、信じられない。
一緒にバンドもやったし、僕の曲を歌ってもらったり、おおたかさんの曲をアレンジしたり、
NHKにほんごであそぼ、では数年間ご一緒しました。
あまりに急に、こんな親しい音楽仲間が旅立っちゃうなんて、、、
同い年だし、38年くらいの交流かな。
とにかく凄いヴォーカリスト、尊敬する人、気取らない人、なんでも話せた仲間・・・
一緒にある時代をともにした。そんな時代は終わりなのかと、喪失感にさいなまれる。
ジャズ、ブラックミュージック、歌謡曲、民族音楽を超越してノンジャンルなヴォーカリストとして
唯一無二の存在感は圧倒的な方だった。
数年前にNHKの番組におおたかさんが歌うために作曲した「さよなら」が自分の曲
としては最後のコラボになった。この曲は大正時代の金子みすゞの詩に曲をつけた。
おおたかさんに最高傑作と褒められた、、、ほんとうに「さよなら」は辛い。
カテゴリー: 映画音楽
(2022年09月11日)
投稿者:suoyon
タムのセット





シコふんじゃった!2022

1991年の周防正行監督の映画『シコふんじゃった。』が
31年経ち配信ドラマ『シコふんじゃった!』になり
再び音楽担当しました。
10話からなる物語。前回からそのまま30年経ったという設定で面白い。
3月末辺りに打ち合わせをして8月まで作曲、
MA(映像と音関係を仕上げる作業)に入ってからもまだ作曲していた。
まとめて作曲をしてレコーディングし、それらの音楽40曲(バリエーションやボツ曲含めると80テイクがPCにあった)
をどう毎話にあてはめるかも自ら提案し、
ほぼすべてのプリミックスとMAに立ち会ったので
3月からほぼ休み無く(他のスケジュールもあるし)働いた。(歳なのに)

監督は映画『カツベン!』で日本アカデミー優秀脚本賞受賞の片島章三を
メインに若手監督3人(後閑広、廣原暁、植木咲楽)が1話ないし2話担当。
主演は葉山奨之、井原六花。ダンサー出身の井原六花の四股は見事です。
清水美砂、竹中直人、柄本明、田口浩正、六平直政も出演。
ディズニープラスで10月26日より配信予定。英語字幕版もあり世界配信。

また1991年映画『シコふんじゃった。』というとおおたか静流が歌った
エンディング曲「林檎の木の下で」が大好評だった。これは一応タイアップなのだが、
当時一緒にバンドやってたおおたかさんがソロを出したタイミングで、
そういう繋がりで決まったし監督も気に入った音楽。編曲が加藤みちあき、
このみちあきさんのアレンジが映画の雰囲気にもバッチリで、
よく『シコふんじゃった。』の音楽よかったです。「林檎の木の・・」って言われたが、
これは私じゃなくてみちあきさんのおかげ、おおたかさんのおかげなんです。
あらためてお二人に感謝です。そのおおたかさんに報告しなくちゃ、
という矢先の彼女の旅立ち、告別式でご報告。
みちあきさんにもお伝えしました。

今回もその「林檎の木の下で」をインストで劇中音楽として使おうということで
demoや映像への仮あてを行っているうちに音楽チームに参加している
Jirafa編曲&歌のバージョンが監督プロデューサーに好評で、なんと今回もテーマになってます。
劇中でもインストとしていろんなバリエーションで使用しています。

写真はハバネラ風の曲にドラムではなく複数のタムをセットして叩いてもらった時のもの。
これは1991年版を踏襲しているが、曲は一応別曲。
カテゴリー: 音楽
(2022年08月07日)
投稿者:suoyon
Speak No Evil






やっぱりWayne Shorterがいい!

1969年頃、高校生だったがジャズを聴くようになっていて
同じような同級生4人でいろんなアルバムを貸し借りして聴いた。
その前、中学の頃ラジオで「ナベサダとジャズ」という番組が始まり、応募してその公開収録に行き
ちょいジャズに傾いていた。
渋谷のヤマハで年に2回くらいかなあ、ジャズの輸入盤レコード(勿論アナログ盤の時代)の
バーゲンを開催していて、僕たちは仲間4人でよくヤマハに通った。50年経ってると思うとおそろしや!
当時日本盤は2500円程で輸入盤のバーゲンは数百円から1000円~2000円だったような。
このバーゲンでジャズのレコード収集に励んでいた。

仲間のひとりがWayne Shorterの「Speak No Evil」を買った。
その数日後にその友人から「良かったよ」っていう話が返ってきた。
ショーターはマイルス・バンドのサックス奏者で知ってはいたが、ソロは
どうなんだろう、という疑問があったが、聴いたらめちゃよかった。
勿論モード・ジャズのこともなんにもわかってない頃だ。
ここから現在に至るまでWayne Shorterをご尊敬申し上げる、ということになっている。

「Speak No Evil」(1964)は6曲すべての曲作りが素晴らしい。それも普通の
従来のバップ的なムードではなく、勿論エヴァンスのようにスタンダード曲の
ジャズ化でもなく、全部ショーターの作曲。
どこかブラックマジック風味だったりで、完璧なオリジナリティがあり、
でもメロディの作り方にスムースさや歌心があって、いわゆる楽器奏者にありがちな奏法的な
仕掛け曲ではなく完全に作曲家というビジョンを感じる。
サックスやトランペットのアレンジも考えられている。
以前紹介した「緑のショーター」って言われてる「スキツォフレイニア」も
ブラスのアレンジが素晴らしい。
ハンコックも実はショーターの影響があり「あのバンドでの最高の作曲家、
マイルスが一言もケチつけないのはショーターの曲」と言ってるくらい凄い。
マイルスはバンドの音楽ディレクションはショーターに任せていた。
またショーターのソロ・アルバムでのピアノはハンコックかマッコイ・タイナーだが
やはりハンコックのほうがモードに対するキメが細かさが好きだ。
ショーター、ハンコックら当時新主流派と呼ばれた若手たちのモード・ジャズが全盛期と言える。
残念ながらビル・エヴァンスはモード追求はやめちゃってスタンダード曲のジャズ化で
聴きやすいピアノ・トリオだったので。
ピアノトリオはアンサンブル的な妙味はさほどない。
ピアニストが良いか悪いかにかなりの重点がおかれるけど、やはり管楽器はいい。
当時サックスではジョン・コルトレーンという大巨人がいるが、勿論アルバムによっては好きだが、
アンサンブル重視ではない「オレについてこい」タイプ。
おそらくコルトレーンは伴奏陣とのアンサンブルなんかあんまり関係ないと思う。
または神がかっちゃった雰囲気がちょいね、、、
マイルス・バンドはアンサンブルの妙味凄いしね。やっぱりショーター派なんですワ。

1960年代というとモード・ジャズともうひとつの柱がアヴァンギャルドなフリージャズだった。
だからショーターのこの時代のアルバムもB面最後の曲はだいたいアヴァンギャルドだが、
このアルバムに関しては全曲まとも!
まともって、そ、そ、そのフ、フリージャズが
まともじゃないって言ってはいないけど、、、まあ言ってるか。
一応、オーネット・コールマン、ドン・チェリー、アーチー・シェップ、アルバート・アイラー、
セシル・テイ・ラー、カーラ・ブレイ、JCOA、ハン・ベニンク等アルバム聴いてました。
チック・コリアもアンソニーブラックストンとのCIRCLEはアヴァンギャルドですね。
それもアルバム買って聴いてました。でもやっぱモードのほうがいい。

しかし1960年代末に高校生で流行の歌謡曲に目もくれず「Speak No Evil」がいいね、
なんて言ってるうちらの将来、やはりウレセンからは遠ざかるかあ・・・
カテゴリー: ミュージシャン
(2022年08月01日)
投稿者:suoyon
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ビル・エヴァンスの特集を地上波のテレビでやってたのは驚き。
さすがNHK-ETV。
中身は、ジャズピアニストなのにクラシックの影響が強い、
ということに重点が置かれてた気もした。
エヴァンスのジャズの方の影響も追求して欲しかったけどね。
モード手法のことも出てきた。
ただエヴァンスさんはマイルスとの「So What」(1959)でモードを
提示しながらその後の自分のピアノトリオではほぼモードはやってない。
ライヴ(稼ぎ場所)がほぼ夜のジャズクラブだったので、酒飲み相手にはアートな
モード・ジャズよりスタンダード曲の解釈のほうが酒のつまみになったのか、
なんて思っちゃう。
マイルスも自分のバンドに白人のエヴァンスを入れたのは
1959年当時としては偉いことや。

エヴァンスの左手をと右手を見てるとあまり離れないポジションが多い。
つまり左手の重低音と右手の高音での派手な表現がない。
内省的で知的。それまで(1950年代後半)ジャズというと
黒人、ブルージィ、バップだったが、そういったことを全く変え、普通の人々の日常性みたいな
感覚を持ち込み大げさな表現もない。オレがオレがという感じもなく、
ベースとのインタープレイという言葉が生まれた。
ジェレミー・スタイグやジム・ホールとのデュオも良い。
ジョージ・ラッセルと実験的なことも一応やってる。
ジャズって演奏家の自由な演奏表現が音楽変革をもたらし
歴史を作っちゃうところが面白い。

派手なオスカー・ピーターソンなんかと真逆のセンス。
ハンコックもコリアもエヴァンスがいたから、ちゅうのあるんでしょうね。
1973年に芝の郵便貯金ホールでのコンサートを観に行ったが、その日の演奏が
「Live in Tokyo」になっているのがなんか嬉しい・・僕の拍手も入ってる!

写真のアルバム『Waltz for Debby』の中の「Waltz for Debby」は聴きやすい
ので名曲名演奏となっている。入門的なアルバムかも。
僕はヴィレッジヴァンガードとか、モントルーのライヴとかいろいろ好き。
ベーシストのスコット・ラファロ作曲の
「Gloria's Step」はUpper Structure Triad(上部に非機能的な3和音を堆積)
の使い方などで講師仕事の題材にも使い、お世話になってます!
カテゴリー: 雑感
(2022年06月13日)
投稿者:suoyon
宇佐美教授
5月末のある日、京都も30度と暑かった。
その日は京大副学長の宇佐美教授と中華の店でランチ。
四条烏丸の東に少し上がった柳馬場通りにあるその店は
表は古く渋いけど、中は和モダンでした。

宇佐美さんが研究している中国古代の文献に音楽のことがあり、
そんな話題やらなにたら興味深い話が尽きなかった。
カテゴリー: 雑感
(2022年04月22日)
投稿者:suoyon
キジ2022



なにか気配を感じて右向いたら・・・キジと目があった!
こいつはメスのほうだ。オスはもっと派手な柄だし。
こんなに近くで逃げないのは、僕も自然の一部と認めてくれてたのかな?!
、なわけないよな。
カテゴリー: 映画音楽
(2022年04月01日)
投稿者:suoyon
ブリキの太鼓


映画『ブリキの太鼓』
1979年ドイツのフォルカー・シュレンドルフ監督の映画。
戦後ドイツ文学の代表作の映画化、とのこと。
昔なんとなくみちゃったけど久々にじっくり観た。
音楽がモーリス・ジャールなんですワ!これが。
ここでは心に残るミーハー向けメロディとかなくて、そのドライ感覚が
めちゃいいし、安っぽく通俗的にならない。
ジュースハープ風音色とか、ブリキの太鼓のフレーズが印象的。
冒頭はほぼ太鼓とグロッケンだけだし。

ポーランド、ダンツィヒ(グダニスク)を舞台に1918年から
数十年を、ぶっ飛んだ内容、子供が主役だけどオトナな物語、
戦争、ナチスに翻弄される人々、カシュバイ人、ユダヤ人、小人、
セックスなどの事柄を3歳で成長をとめた男の子を通して描いている、、
ちゅうことなのかな。主人公役は11歳の男の子・・・怪演デス
情緒的な感傷とか涙とかない・・・あと説教臭くないので、
そういうのを好む日本人向きではないのかも。
一時アメリカではポルノ扱いされたこともあったようだが、そんな
感じではない。時代は変わった。

ハリウッドには絶対ないテイスト、それだけでも
とりあえずいいんじゃないの、ってね。
ポーランドはドイツとソ連に挟まれて一時はナチスが台頭し、
町ぐるみでそういったポピュリズムに巻き込まれ
主人公の父親もナチス入党するとか、主人公が入ったサーカス団がパリに
行った頃連合軍が巻き返し、ダンツィヒの町にはソ連軍が押し寄せ
父親はソ連兵に撃ち殺される。
ハリウッド的娯楽映画的な面白さではないけど、これもあり、
昔は多少怖かったけど、今はオモシロイ。

フォルカー・シュレンドルフ監督というと
1967年の映画『Mord und Totschlag』
(英題:A Degree Of Murder)
音楽:ブライアン・ジョーンズ(R.Stonesの) 
主演:アニタ・パレンバーグ がソフト化してほしい。