Zero Gravity_WShorter (1)



Wayne Shorterドキュメント映画『Zero Gravity』

今年3月に旅立ったウェイン・ショーター先生(ココロの師ね)の
ドキュメント映画『Zero Gravity』を
Amazon Primeで観た。
とてもとても、ほんとうにとても興味深い!
episode1、2,3 と3部あり見ごたえある。
肌の色じゃなくて、その人の行動を見て人を判断しなさい、
という母からは芸術的なインスパイアも受けたのかもしれない。

漫画を描いていた子供時代、美術で受賞し、その後音楽をやり、あっという間に
若手の有望株、それもサックス奏者としてだけでなく
作曲家として新しいジャズを想像していく超凄い人へ・・・
しかしニューヨークの大学の音楽の先生の言葉:音楽の道は3つあると言い、
イマ・スマック(当時活躍していた凄いテクニックの歌手)、
ストラヴィンスキー、チャーリー・パーカーの3つだと言う。
日本じゃありえない!!!考えられない独自の先生!
ウェイン・ショーターのティーンエージャー期はチャーリー・パーカーの
ビバップが隆盛してきた時代。当時一番刺激的で新しい音楽はビバップなわけだ。
ショーターはすぐビバップのイディオムをマスター。

episode後半はダニーロ・ペレスらとのカルテットが凄い。
全く予測できない演奏、演奏形態!ジャズを超越。
死ぬ直前まで現役、それも
絶えずチャレンジする精神性の高い音楽を想像していたことがわかる。
ハービー・ハンコック、ジョニ・ミッチェル、カルロス・サンタナ、
ソニー・ロリンズ、レジー・ワークマンらのコメントもある。
テルコ、アナ・マリア、キャロリーナという結婚、宗教などのプライベートのことも描かれている。

作曲家としては1960年頃から2020年代までショーターワールドが一貫しているし、
サックス奏者としてはイマジネイティヴで、おきまりの吹きまくりアドリブという感じがなく
その場で感じた感覚で間の取り方も凄い。
このドキュメントで改めてその独創性が確認できた。
写真左はアルバム「EMANON」より。