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July 2023 の投稿一覧です。
カテゴリー: 映画音楽
(2023年07月20日)
投稿者:suoyon
水で書かれた物語チラシ






『水で書かれた物語』(吉田喜重監督 1965年)を上田の映劇で観る。

映劇という劇場が昭和の名残りあるレトロな場所なので作品とシンクロしてた!
出演:岡田茉莉子、浅丘ルリ子、入川保則 山形勲 音楽:一柳慧

話は石坂洋次郎原作のメロドラマ。不倫、母子相姦、心中、幼児性愛とかなりインモラル。
温泉入浴シーン、キスシーン、濡れ場等々この時代の日本映画としてはかなりのほうでしょう。
しかし吉田喜重ですから、撮り方が下世話にはならず芸術的というか、
カメラワークや照明もこだわっている。
ツッコメば、って言われればあるけど、でもまあ撮り方、話の進め方は説得力ある。
妄想シーンも変態気味だけど芸術的なのかも。
主演の岡田茉莉子の魅力、若き浅丘ルリ子がピチピチしている。
入川保則はよく子供の頃テレビドラマの2枚目な脇役で見た印象がある。

そして音楽の一柳慧は当時現代音楽作曲家の第一人者であり、
ここでも情緒的なメロディは一切ないコンテンポラリーなスコア。
ほぼ統一感あるモティーフで全体を包んだ。
編成はチェンバロ、ヴァイオリン、ドラムス、パーカッション等で2時間の作品に
20弱くらい短い音楽があてられた。
ただ一般人にはおどろおどろしいという感想が聞かれたので、
僕らのような音楽を生業にしているものと聴こえ方が異なるかも。
この時代のトレンドとも言えるこういった現代調は懐かしくも思うサウンドでもあり、
当時最先端のレベル高き作曲でありながら、その後衰退しちゃう音楽なので
流行の音楽のような響きになってしまったのかもしれない。

この作品は上田市、丸子町など信州でロケしていてもう廃線になった
上田丸子電鉄が出てきたり、当時の上田の町並みが楽しめてめちゃいい。ただ撮影が地方の町ということだけで内容にローカル色は全くない。
当時松竹ヌーベルバーグ(大島渚、篠田正浩など)のひとりと言われた
吉田喜重監督は昨年逝去、岡田茉莉子はこの作品の前1963年頃に吉田監督と結婚、
そして結婚直前に撮った作品が代表作でもある映画『秋津温泉』となる。
カテゴリー: 雑感
(2023年07月08日)
投稿者:suoyon
into animation 2023 (1)





INTO ANIMATION 8  国立新美術館で8月4日(金)6日(日)に上映!
https://into-anim.localinfo.jp

昨年12月にある劇音楽のTDが終わった次の日から取り組んでいたのが
G9+1という10人のアニメーション作家集団の全20分弱の
「SWITCH / ON」という作品。
8人の作家が「SWITCH / ON」という共通テーマでそれぞれ2分前後の作品を作る。
そこに私が音楽を作曲した、ということです。

セリフはなくいわゆる物語ではない。音はほぼ音楽だけで、ちょいSEはある。
アートというかナンセンスというか、でも気楽に楽しく見られる作品です。
各作品が繋がって20分弱。実はまだ作業が続いているんです。

今回は8人の作家だが一度に8人の巨匠の方々とコラボするというのもこりゃ~大変!
と思いつつ仕事に入ったが、皆さんお優しく、ほぼダメ出しなく、
直しはタイミングのことくらいで進み、あとミックスを残す段階。

メンバーの古川タクさんは今度日本アニメーション協会の会長になる方。
海外での受賞も多い巨匠!福島治さんはあの伝説のCM、トリスウィスキーの四角いおじさんの
キャラを描いた方。ひこねのりおさんはCM明治のカールのカールおじさんを生んだ方。
鈴木伸一さんはななんと!あのトキワ荘にいた方、そして藤子不二雄の漫画に出てくるいつも
ラーメン食べてる小池さんのモデルになったお方!

その他、きらけいぞうさん、一色あづるさん、大井文雄さん、和田敏克さんと
和田さん以外みんな年上!
どこ行っても年上な今日このごろ、これは幸せなお仕事、その上皆さん元気で刺激的!

日本アニメーション協会の「INTO ANIMATION 8」の中での
プログラムAという催しで上映。
8月4日(金)11時55分〜13時55分 国立新美術館3階講堂
8月6日(日)11時55分〜13時55分 国立新美術館3階講堂
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