IMG_2900



ビル・エヴァンスの特集を地上波のテレビでやってたのは驚き。
さすがNHK-ETV。
中身は、ジャズピアニストなのにクラシックの影響が強い、
ということに重点が置かれてた気もした。
エヴァンスのジャズの方の影響も追求して欲しかったけどね。
モード手法のことも出てきた。
ただエヴァンスさんはマイルスとの「So What」(1959)でモードを
提示しながらその後の自分のピアノトリオではほぼモードはやってない。
ライヴ(稼ぎ場所)がほぼ夜のジャズクラブだったので、酒飲み相手にはアートな
モード・ジャズよりスタンダード曲の解釈のほうが酒のつまみになったのか、
なんて思っちゃう。
マイルスも自分のバンドに白人のエヴァンスを入れたのは
1959年当時としては偉いことや。

エヴァンスの左手をと右手を見てるとあまり離れないポジションが多い。
つまり左手の重低音と右手の高音での派手な表現がない。
内省的で知的。それまで(1950年代後半)ジャズというと
黒人、ブルージィ、バップだったが、そういったことを全く変え、普通の人々の日常性みたいな
感覚を持ち込み大げさな表現もない。オレがオレがという感じもなく、
ベースとのインタープレイという言葉が生まれた。
ジェレミー・スタイグやジム・ホールとのデュオも良い。
ジョージ・ラッセルと実験的なことも一応やってる。
ジャズって演奏家の自由な演奏表現が音楽変革をもたらし
歴史を作っちゃうところが面白い。

派手なオスカー・ピーターソンなんかと真逆のセンス。
ハンコックもコリアもエヴァンスがいたから、ちゅうのあるんでしょうね。
1973年に芝の郵便貯金ホールでのコンサートを観に行ったが、その日の演奏が
「Live in Tokyo」になっているのがなんか嬉しい・・僕の拍手も入ってる!

写真のアルバム『Waltz for Debby』の中の「Waltz for Debby」は聴きやすい
ので名曲名演奏となっている。入門的なアルバムかも。
僕はヴィレッジヴァンガードとか、モントルーのライヴとかいろいろ好き。
ベーシストのスコット・ラファロ作曲の
「Gloria's Step」はUpper Structure Triad(上部に非機能的な3和音を堆積)
の使い方などで講師仕事の題材にも使い、お世話になってます!