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November 2019 の投稿一覧です。
カテゴリー: 映画音楽
(2019年11月29日)
投稿者:suoyon
月2度発売する映画雑誌「キネマ旬報」の12月上旬号の賀来タクトさんのコラム「映画音楽を聴かない日なんてない」はワタシが特集されてるんです。
映画「カツベン!」のサントラの裏話しといったところを喋ってます。
大正時代という設定の物語で活動弁士が映画の説明するシーンでは当時の雰囲気を再現するために三味線、クラリネット&フルート、お囃子(打楽器)という編成で作曲。
日本の陰旋法、ペンタトニック、西洋的な短調が混じった曲をJirafaと10数曲作曲した。しかし物語に登場する靑木館という劇場が経営状態が悪く3人の楽士しかしないし、レパートリーも数曲しか演奏できない、と言う設定を与えられ、、え~っ!!大変でした。
その上、和音出る楽器がないし・・・三味線の和音は4度5度で3度の和音はあまり三味線では相応しくないのでいわゆる西洋的なコードは無理、ということでした。
また続きは・・・
カテゴリー: 映画音楽
(2019年11月03日)
投稿者:suoyon
ハウチワカエデed10




テレビドラマ「岸辺のアルバム」から42年。主演のひとり、女優の八千草薫さんが亡くなった。他にはない気品のある美しき女優さんだ。
とにかくこのドラマは僕にとってすごくすごく思い出深い。ご冥福を祈りたい。

その時の八千草薫さんは40代で杉浦直樹さんと夫婦役だった。他のキャストもそうそうたるメンバーだ。
1977年に僕が音楽業界に入った時に、その事務所の作曲家小川よしあきさんのレコーディングにアシスタントで参加したが、
その時小川よしあきさんが「岸辺のアルバム」の音楽、劇伴奏音楽を作曲していた。

今では考えられないが毎週赤坂のTBSに打ち合わせに行き、毎週早稲田にある早稲田アヴァコスタジオで
レコーディングしていた。それもすべて生楽器。勿論デモなどの提出はない時代。
主題曲がジャニス・イアン「Will You Dance?」でこれはハバネラのリズムの素晴らしい曲。
歌もめちゃいい。

劇伴も演出の鴨下信一さんはある時からこの「Will You Dance?」のインストアレンジだけを要求するようになり、
1曲のバリエーション中心に劇伴奏音楽が成立してのを目の当たりにした。
多摩川狛江付近が台風で氾濫して主人公の一家の家が水没し川の濁流に流されてしまう話だが、その前に平和で幸福と
思われていたこの一家の家族は実は家族皆が勝手なことをして(企業の犯罪に関わる父、不倫する母、レイプされる娘等)すでに
精神的にはバラバラな家族だった。それが物理的な家自体のバラバラを経験してそのあとに何が残ったか・・・みたいな凄いドラマだった。

山田太一脚本のこのドラマは当初14%くらいでスタートしたが最終回は20%、テレビ史に残る名作になった。
実際にその数年前にあった多摩川の氾濫を基にに書いた話で、今年その多摩川がまさかまた大災害を生むとは思わなかった。

ちなみに1977年に「Will You Dance?」のアレンジレコーディングに立ち会った僕は18年後、同じ早稲田アヴァコスタジオで
「Shall We Dance?」を自らのアレンジしてレコーディングした。
「Will You Dance?」のハバネラリズムは影響受け、映画「シコふんじゃった。」の劇伴「コクトオ桃色」でハバネラ風を取り入れた。
写真はうちのハウチワカエデの紅葉です。(11月2日撮る)
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