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カテゴリー: 雑感
(2020年11月23日)
投稿者:suoyon
刑事裁判の証拠開示のデジタル化 についてはよく知らなかったが
検察側はpdfでの開示をしてくれなく、弁護側が膨大なコピー代を
費やすということらしい。
それも今やコンビニ行けば白黒コピーは¥10 でカラーは¥40が相場なのに
白黒コピーは¥40 でカラーは¥80  とのこと。
詳しくは以下のURLから、もし賛同していただければ署名して改善の力に!

https://www.change-discovery.org/

これは思想、イデオロギーとか政治的な考え方以前の問題だと思います。
カテゴリー: 音楽
(2020年11月21日)
投稿者:suoyon
ツヅクニチジョウ 2020-11-21 23.25.30 (1)


コロナ禍で日常が崩れてしまった2020年。
2年前に作曲した弦楽四重奏曲「トギレルユメツヅクニチジョウ」

https://youtu.be/_3yBttdFZqU (動画はこのURLからどうぞ!)
はそんなことを予言してたわけではないのですが、
普通の日常、途切れないことの大事さ、でも続く日常が
身に染みてきます。

この動画は大阪スクールオブミュージックのスタジオでの
毎年開催される周防義和企画監修の「弦楽セミナー」のひとコマ。
ポップ系打ち込み志向の若者たちに弦楽四重奏を作曲してもらうイベント。
勿論そこにたどり着くまで、1年間は弦楽の解説をご指導します!
決してクラシックやれ!っちゅうことではないです。
そして僕の曲も演奏していただいた。
僕の曲も広い意味でのポップ(ヒットチャート系のポップということではなくて)です。
演奏は京都芸大出身のViolinist水野万裕里率いるカルテット。
at Osaka jan.2019

スタジオが天井低いのと、別曲でリズム・セクションとのコラボ
もあるためマイキングは近いが、一応アンビエントも立てています。
Engineerは大阪を代表するスタジオアルケミー主催の北畑俊明。

動画は上のURLからどうぞ!(この写真は動きません)
カテゴリー: 音楽
(2020年11月07日)
投稿者:suoyon
slideの手の動き


以下のURLはスライド奏法でギターをダビングでレコーディング中の手の動きです。

https://youtu.be/memck9iOn8k

今回はギターを椅子の上に置いて人差し指にボトルネックを付けて
の演奏です。他には通常のように肩からギターをさげて小指などに
ボトルネックを装着する場合もあります。人それぞれやり方ありです。
ギターは弾いてない他の弦も共鳴するので特にスライド奏法の時は
弾いてない弦を指でミュートしています。さりげなくやってるんです!
しかしこの奏法なら頚椎ヘルニアによる左手の指の強い押さえがきついので、
それに関係なくなり弾けるという利点ありです!

曲は「コルコバード」。普通ボサノバですが独自にアレンジしてます。
全編はこちらで聴けます。
https://youtu.be/8FORllaK10Q

2019年にジョアン・ジルベルトが亡くなった直後にアレンジ
してみました。
偉大なるジョアンさん、
そしてアントニオ・カルロス・ジョビンさんにリスペクトを込めて!
カテゴリー: 音楽
(2020年11月02日)
投稿者:suoyon
walk away,,,,






久々の歌作品をご紹介、発表します!
レイチェル・オングのために作曲した歌
「WALK AWAY , HEAD HIGH」は
以下のURLで是非お聴き下さい! 
https://youtu.be/ac1DLTCiNZc

次は1コーラス目の歌詞。

WALK AWAY , HEAD HIGH( lyrics : Rachel Ong music : Yoshikazu Suo)
Voices ask me for answers 頭の中での声が答えを探してる
Lost deep inside, words they hide でも答えがでない。言葉にならない。
Days past still I'm wondering どう長く考えても、
Was it wrong, was it right? 「正しいか間違いか」しかの思いがない
Forgetting ways to be brave 勇気というのはもう忘れてる
Darkness colours my name もうピュアじゃない
Take a leap of faith and play this game of life 思い切って人生というゲームをしてる
There's so many roads to choose 選択肢がたくさんある
With nothing to lose 何も失うものがない
for I'm stronger now inside 今はちょっと強くなったから
Time to say goodbye, walk away head high もうやめる。誇りもってやめる。

・・・・・・・・・・
リズムセクション録りには僕はいなくてコンポーザーギタリストの福本雄木に
感謝します。TDはレイチェルのディレクションで完成、ここにも僕はいなかったの
ですがレイチェルの声はいい感じになってます!
メロディは書いた譜面をレイチェルのニュアンスで
彼女独自の解釈やコブシが効いています。
カテゴリー: 音楽
(2020年10月29日)
投稿者:suoyon
wurlitzerGlori (1)

https://youtu.be/Ouq9OWTI0KI
ビル・エヴァンスの命日が9月15日だったけど1980年なので
40年経っちゃった。チックもハンコックもエヴァンスあっての・・ですね。
1961年のヴィレッジヴァンガードのライヴはピアノトリオ珠玉の名盤!
特にベーシストのスコット・ラファロ作曲の「Gloria's Step」は学生時代からのお気に入り。
そこでまたまたですが、キーボーディストでもないのにテーマ部をお稽古しました!
これ以上は弾けない、悲し!
その後の短いところはアドリブで関係ないことやってます。

1961年というとハードバップからモード・ジャズへの転換期。
一方でフリージャズも出現ですが、「Gloria's Step」はスタンダード歌モノ風コード進行から
少し脱して尚且Upper Structure Triadっちゅう分数になった、
それも非機能的な分数和声理論を用いててメチャクチャ最高に好きな響きです。
これにはまるとそこら辺りの3和音だけの音楽を
「ドレミ節ね」っていいのか悪いのかナメちゃう傾向がでちゃうんです。ちょいはんせー。

そして8ビート系にアレンジしてみました。
「Gloria's Step~MoMeMo」展開部のMoMeMoは僕のオリジナル曲です。
つなげてみました。ナマでやれたらなあっていうデモです。
https://youtu.be/fMeT1n8UKYQ
カテゴリー: 映画音楽
(2020年09月12日)
投稿者:suoyon
秋刀魚の味 (1)



映画のワンシーンにこだわる!!(勝手なシリーズ)

先日蓼科の「無藝荘」のことを取り上げたが昨日NHKで小津安二郎ドキュメント
やってて「無藝荘」が出てきた。なんという偶然!
また戦後、小津作品は家族を描いたドラマに徹した理由なども描かれ良かったです。
いつも同じような題材でオリジナリティを否定するような・・オリジナリティを超えた
ような哲学的な境地に立った感じで作品を作り続けた小津監督。

そこに至ったのは本人自身の戦争体験だったようだ。
小津は1937年に始まった日中戦争に招集され仲間が死んだり殺される現場を
目の当たりするという悲惨な体験をしている。
しかし戦争を題材にすることはなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『太陽の子』は戦争中の若き研究者を描いたものだったが・・・戦争映画ではないが
『秋刀魚の味』(監督:小津安二郎 脚本:野田高梧、小津安二郎 1962年松竹)の
バーのシーンのやりとりが軽妙ながらとても好きなシーンだ。
このシーンに小津が戦争を描かなかった理由が凝縮してウィットに富んだ
軽妙なシーンで戦争を批判しているかもしれない。
笠智衆と加東大介のやり取りのシーン。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

時代は戦後の1960年代はじめ。
戦時中海軍の駆逐艦の艦長だった平山(笠智衆)は部下だった坂本(加東大介)に
偶然会う、そして坂本行きつけのトリスバーでウィスキーを飲んでいる。

坂本「けど艦長、これでもし日本が勝ってたらどうなってますかねえ」
平山「さあねえ」(中略)
坂本「勝ってたら艦長、今頃(中略)ニューヨーク、パチンコ屋じゃありませんよ、
ほんとのニューヨーク、アメリカの」
平山「そうかねえ」(中略)
坂本「負けたから今の若い奴ら向こうのまねしやがってレコードかけて
ケツ振って踊ってやすがねえ」
「これが勝っててごらんなさい、勝ってて・・・
目玉の青い奴らが丸まげかなんか結っちゃってチューインガム噛み噛み三味線弾いてやすよ~」
「ざまあみろってんだい!」

平山「けど負けてよかったんじゃないか?」

坂本「そうですかねえ、、、うむむ、、」
「・・・・そうかもしれねえなあ」
「バカな野郎がいばらなくなっただけでもね」
「艦長、あんたのこっちゃありませんよ、あんたは別だ」
(中略)
そこへバーのマダム(岸田今日子)が銭湯から帰ってくる。

坂本「今時分フロ行くやつあるかい!」
「今日はお客が少なかったからよ」と、
ちょっと色っぽいマダムに平山は亡き妻の面影を感じて魅入ってしまう・・・・
そして「軍艦マーチ」が流れる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

きっと戦争に行った者にはノスタルジーな音楽であり、
威勢のいいマーチが逆に平山には悲しいとも言えるムードを醸し出す。
音楽の役割って面白い。
威勢のいいマーチが心情的に悲しく響くっていうことだ。
この曲はエンディングでも劇伴アレンジされ(音楽:斎藤高順)、
娘を嫁に出した父の寂しさをフォローする役割を果たしている。

ここで戦争を個人のレベルでの思い、思想とかイデオロギーとかじゃなくて、
一庶民の感じたカタチでさりげなく日本の戦争を批判しているかもしれない。

笠智衆の存在感、加東大介というオンリーワンな個性派な脇役が、
江戸っ子調の言い回しがめちゃリズムがよく、いい味出している。
銭湯に行ってたバーのマダム、なんていう設定も昭和の当時ならでは。
洗面器抱えて岸田今日子が妙に色っぽい。

カメラワークは切り返し中心にフィックス。パンや移動、ズームアップなどの動きは一切ない。
切り返しが多いということは実際に会話していなかったりするので、
俳優は繋がりの良い演技を求められる。
照明セットの変えもあり時間かかる撮り方。
そして一見普通の会話ながら感情が抑制されたセリフで構成されている。
熱演みたいにならないので普通っぽく思われるが実は演技が上手くないと繋がらないと思う。
長回しはないし。(そっち_撮影演出_の専門ではないので、たぶんちょっと違うんだよなあ、でしょう)

信州蓼科の「無藝荘」で小津監督と野田高梧が書き上げた作品。
主演の笠智衆の娘役が若き岩下志麻(たぶん20歳)で初々しくキレイ。
杉村春子、東野英治郎、という新劇系の実力脇役陣の演技が素晴らしいし、
イケメン佐田啓二(中井貴一の父)、その若き妻役に岡田茉莉子(たぶん28歳)
・・・小津調のきちっとした演出の中で岡田茉莉子が全く自由な雰囲気でカワイイし柔らかい演技が見もの。

バーでのシーン
https://www.youtube.com/watch?v=YKvx2Ip2Qvk

衣装に触れたサイトもあって興味深い
http://cineyoso.movie.coocan.jp/sanmanoaji.htm
カテゴリー: 音楽
(2020年08月31日)
投稿者:suoyon
LIVEEVIL (1)



『LIVE EVIL』Miles Davis 1970年レコーディング。

サックス奏者のスティーヴ・グロスマンが8月13日亡くなったらしい、69歳、残念です。
そのスティーヴ・グロスマンが参加してる『LIVE EVIL』。

マイルス・デイヴィスは『Bitches Brew』を1969年8月にレコーディングして
この新たな音楽に自信を深めたのだろう、次々にライヴを展開する。
そしてメンバーも入れ替わるが、異なるメンバーでも凄い演奏、
1970年末のライヴと1970年1月のスタジオレコーディングを2枚組にした
『LIVE EVIL』はライヴの凄い迫力とスタジオ曲ではWeather Reportのような
雰囲気を醸し出している。

なによりこのジャケット、『Bitches Brew』を描いたMati Klarweinのペインティング。
インドの様式美に近いらしい。
お腹の大きい美しい黒人女性のほう(右)がジャケット表で裏に当たる表4(左)が、
醜い金髪で白い肌のモンスター。マイルスも黒人としてのプライドが誰より高い人。
Black Lives Matter

演奏ではベースのマイケル・アンダーソンが凄い。この人、全くジャズの人じゃない。
これ以後このベーシストがずっと務める。
ディジョネットとアンダーソンのグルーヴは必ずしも合ってはいないので、
アンダーソンの場合はアル・フォスター待ちということになる。
そしてここではキース・ジャレットのエレピ、それもエフェクター付き、
が凄いグルーヴ感を見せる。マイルス・バンド以後はエレピはまず弾いていない
と思うので今となっては貴重かも。チックとかハンコックほど和声的なレベル高くないので
逆にシンプルに聴きやすいとも言える。

ジョン・マクラフリンのギターはここでも凄すぎ。
勿論マイルスのトランペットも絶好調!もう夜店で酒のツマミのジャズ音楽からは
完全にさよなら、ワウペダルも多用し、同じ音での音色変化でまるで
パーカッションのようなフレーズだったり、
これは上手いとは言えフレディ・ハバードにはない発想。
先駆的にそういうところに行けるというのがアーティストだと思う。

ソプラノサックスはスティーヴ・グロスマンはスタジオ曲に参加。
この時期はデイヴ・リーヴマンと並んで注目の若手だった。
そして『LIVE EVIL』にはゲイリー・バーツというアルトとソプラノの
持ち替えのサックス奏者が登場、ここでのライヴ曲はバーツ。

そしてこの後のマイルスでは『On The Corner 』が面白いし凄い。
『On The Corner 』はクラバーやヒップホップから再評価されたというのも興味深い。
カテゴリー: 映画音楽
(2020年08月27日)
投稿者:suoyon
太陽の子


終戦記念日の8月15日NHKでオンエアされた
ドラマ『太陽の子』(作演出:黒崎博)は
戦時中、原子爆弾の開発を研究する京都大学の
若き研究者の苦悩、戦争に翻弄される人達を描いた話。
日本も原爆作ろうとしてたんだ。
ただ現実的にはウラニウム等の調達が不可能になりできなかったらしい。
それで良かったです。
そのことはさておきドラマの音楽がニコ・ミューリーだったので留守録して観た。

ミューリーはケイト・ウィンスレット主演の『愛を読むひと』で
素晴らしい音楽を書いてる現代音楽シーン注目のコンポーザー。

『太陽の子』では80分の劇中に19の音楽を作曲、
ほとんどが短い曲だがどれも凄く丁寧でレベル高いサウンドを構築している。

映画音楽ドラマ音楽というと一般の方々には結局は親しみやすいメロディ、
情緒的でキャッチーなテーマメロ、っていうことになるが、
そしてそれを否定はしないが音楽の楽しみ方としては残念ながら非常に狭い。
やっぱ売れ線のメロディなのね、
っていうのが音楽の価値観を画一的にしてしまうのがつまらない。
メロディ、メロディだけじゃない楽しさ、ちょっと知的な音の秘密、
みたいなところにも興味示していただくと広がるが、難しい。

ニコ・ミューリーの音楽はそれを完璧に表現、
つまりキャッチーで情緒的なメロディとか一切ないサウンドでつけていて、
でいて昔の世代の現代音楽の無調の観念的な感じ、
アタマで考えただけのリアリティなき音楽でもない柔らかさがある。
これは新しい世代のコンポーザーであり、
クラシカルでも昔のクラシックの下品なベタで臭い付け方もなく、
音楽による知的な価値観を柔らかく新たに表現できる人かもしれない。
エンタメ的というよりアートな方向・・・でもエンタメっていつも
その前に超マイナーだったりアヴァンギャルド、アートだったりしたものが
エンタメに取り込まれるし、王道とかクラシックだけではエンタメは
足りないんです、多分・・・それがひとつの進化かもしれない。

内容は
シーンのセリフの中からいつのまにか音楽入ってくるタイプは多い。
オーソドックスなセリフ受けの音楽スタートでは、
國村隼扮する科学者のセリフ「世界を変えたい」を受けての音楽。
柳楽優弥扮する若き研究者のセリフ「いっぱい未来の話しよう」を受けての音楽。
「次に(原爆)落とされるのは京都という噂があるんや」の辺りからの音楽
などがあった。
また「硝酸ウランや」後のチェレスタでの神秘的なムードはとても好き。
楽器は大編成ではなくピアノ、バイオリン、チェロ、グロッケン、
チェレスタ、パーカッション、シンセ、等と思われる。(多少違うかも、すみません)

國村隼のセリフに「この戦争に大義があるとは思えない」は重い言葉。
また主人公シュウ(柳楽優弥)の弟役を少し前に自ら命を断った三浦春馬が演じ、
劇中で海に入っていくシーンがあり、その後出征し死んでしまうので、ショッキングではある。

『太陽の子』は来年劇場映画版になるらしい。
カテゴリー: 雑感
(2020年08月25日)
投稿者:suoyon
無藝荘外観8:2020

無藝荘の中の部屋


信州、蓼科湖近くの無藝荘。

ここは蓼科高原にある無藝荘。
日本を代表する映画監督故小津安二郎の仕事場であり山荘。
1954年に脚本家の野田高梧の山荘「雲古荘(うんこそう)」を訪れた
小津監督は蓼科が気に入ってその後雲古荘の近くの
この無藝荘で野田高梧と映画のアイデアを練り脚本を完成させる。
1本の脚本を完成させるのに相当数の
日本酒「ダイヤ菊」が空になったらしい。

蓼科湖辺りは標高1300mくらいあるので夏も涼しい。

ここに籠もりつつも現地の住人と交流したり、
東京から来る松竹映画など業界人をもてなしたりの日々もあったようだ。
その影響からか俳優笠智衆さんも近くに別荘を構えたらしい。
普段小津監督はは北鎌倉に住んでた。

小津監督の映画は戦前のサイレント時代の傑作『生まれてはみたけれど』、
『東京物語』遺作の傑作『秋刀魚の味』といつも日本の家族を描き、素晴らしい作品。
『東京物語』や『秋刀魚の味』など20代の時は登場人物の子供のほうの立場で
見ていたのが今見ると親のほうの気持ちで見れたりしていて・・・時が経っちゃった。

『東京物語』などいかにも日本的と思われるが実は小津監督はアメリカ映画からヒントを
得てそれを日本に置き換えてたりする。まあ普遍的な人間、家族といったことなのでしょうか。

2012年に英国映画協会の「史上最高の映画ベスト10」で映画監督が選出する部門で
『東京物語』が第1位に選ばれた。
海外のインテリ、アート系には小津の評価は高い。
黒澤明監督がスピルバーグ、ジョージ・ルーカス等の超エンタメ巨匠にリスペクトされ、
小津監督はヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、ジュゼッペ・トルナトーレ(ニューシネマパラダイス)、
候孝賢、ドーリス・デリエなどに敬愛されているようだ。
カテゴリー: 音楽
(2020年08月21日)
投稿者:suoyon
Bitches Brew




『BITCHES BREW』 MILES DAVIS から51年経った日。

最も好きな音楽のひとつ、マイルス・デイヴィスの『BITCHES BREW』リリースから50年か、
感慨深い!レコーディングは1969年8月19日20日21日(ニューヨーク)なので今日で51年経った。

その数日前にはウッドストック・フェスティバルが開かれている。
ジャズもロックもなんかすげえ動いてた時代。
ベトナム反戦運動あり、若者はエスタブリッシュメントに抵抗する、みたいな時代だった。
日本では安保反対、学生運動、三島由紀夫の自決が1969年11月だった、、、
いやいや激動の時代。

『BITCHES BREW』
高校2年の時、最初に聴いた時はよくわからなかったけど、次第に魅了された。
今聴いてもまだ発見があり奥深い演奏の魅力に満ちている。
JAZZ史上最も革命的なアルバムとも言われている。
いわゆる2−5−1等のコード進行するスタンダード・ジャズのフォーマットじゃないし、
60年代の黄金のクインテット時代のモード・ジャズでもない、
一応モーダルな和声の延長かもかもしれないけど。リズムが凄い。

ドラマーはディジョネットとレニー・ホワイトのツウィンで16ビート系だけど2拍4拍で
スネアを打つ普通のロックにはほぼなっていない。
ジョン・マクラフリンのギターが今聴いても、こう来るか!っていうマニュアルなどない、
その場で反応しただろう独自な演奏している。

テーマモティーフはあるけど、
集団的なインプロヴィゼイションっていう感じで1曲が20分前後と長い。
ウェイン・ショーターはこのアルバムがマイルス・バンド最後。
チック・コリアとジョー・ザヴィヌルのエレピが絶えず動いていて白たまで伴奏することはない。
チックの和声感やフレーズはほんとフシギに満ちてて凄い。
スネアがロックしないことでその分、伴奏陣のリズムが見えやすいし画一的にならない。
その後のビリー・コブハムは手数多いけど好きじゃない、
アル・フォスターのドラムになってからはロックになっちゃって、その分聴きやすいけど、どうかなあ・・
『BITCHES BREW』はそこに隙間があってチックの動きも見えるのが楽しい。

また1974年のマイルス来日時に厚生年金で見たのでわかったが(この時は1曲が50分くらいで、それを2曲やった)、
バンドを指揮するかのごとく合図を送っていたマイルスなので
ここでもモティーフ設定やダイナミクスの指示をしているのだと思う。
和声的に単調になりがちな部分をリフレインしつつも盛り上がるという肉体的なダイナミクスがぐいぐい惹き込んでいく。

曲としては「ファラオズ・ダンス」「ビッチェズ・ブリュー」が素晴らしいが
チックのアイデアと思われる「スパニッシュキー」も決めフレーズに持っていく流れがめちゃかっこいい。
ショーター作曲の「サンクチュアリ」は「ネフェルティティ」の延長上のようで
伴奏陣が即興していてテーマメロディがリフレインされる。
4ビート風だがデイヴ・ホランドは4分音符でウォーキングせず動きまわっている。

ハーベイ・ブルックスがエレベでパターン奏してるときにホランドがアコベースでソロ風に弾いてる、
とか面白い。ベニー・マウピンのバスクラが低音域でソロっていうのではなくブリブリ来るのも
ブラックマジック風なジュジュ風な気分を醸し出す。

情緒的なメロディはほぼ無く、ウェットでセンチなメロディが一番という価値観の
一般的な日本人向きではないでしょうね。
(そうそう逆にJAZZでもマル・ウォルドロンの「レフト・アローン」とか日本では異常に流行ったし)

凄く上手いトランペッターというとクリフォード・ブラウン、リー・モーガン、フレディ・ハバードらがいるが、
マイルスはそういう演奏目線で計測できる狭いミュージシャンではない。
アンサンブルとかグループによるサウンドのことをいつも考えていて若手の起用や時代の先取りという面で天才的。

1960年代末からのロックの隆盛にマイルスはたぶん嫉妬していて、
自分もそれだけの規模で観客動員できる、したいと思ってたんじゃないかと。
それでロックやエレクトリックを導入していくわけだけど、
結果的に全然ロックではないし、スゲエ音楽に行き着いたっていうところ。
勿論いわゆるJAZZっちゅうことでもないのかもしれない。

もうひとつは、
60年代の黄金のクインテット(ショーター、ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズにマイルス)
は黒人だけの編成で、こんな知的な音楽はないんじゃないかというくらい高度な音楽だった。
それがモーダル・ジャズの頂点まで行ってしまって、
マイルスはロックやエレクトリックに次の活路を探したのかな、っていう感じ。
それと黒人だけにとらわれないメンバーキャスティングしている。

試行錯誤のあと名作『IN A SILENT WAY』で白人ピアニスト・コンポーザーの
ジョー・ザヴィヌルの曲を起用、問題提起でありつつひとつの結果を残し、
きっとマイルスは自信を深めたんじゃないかっていう気がする。
黄金のクインテット時代はウェイン・ショーターに任せてたサウンドを
この『BITCHES BREW』では完全に自らイニシアティブとってる気がする。
ショーターのほうはマイルス・バンド辞めてブラジル志向だったりもありつつ
ザヴィヌルとWEATHER REPORTを結成する。

あと1969年というとまだ60年代フリージャズの名残もあって・・
アルバート・アイラー、アーチー・シェップ、セシル・テイラー等頑張ってたし、
チック・コリアだってReturn to forever結成前はアンソニー・ブラックストンと
ARCっていうアヴァンギャルドやってた・・アブストラクトな価値観が生きている面もある。
その後クロスオーバーとかフュージョンというともっとコマーシャルで聴きやすい音楽、
楽器奏者の上手さ比べみたいな面にすべてではないが、行っちゃうこと思うと、
この『BITCHES BREW』はプレイヤーのテクも凄いけど
それを売り物にした安っぽい商業性のある音楽ではない。

音響面ではスタジオ・ライヴのようなセッティングで演奏したと思われる。
だからダイナミクス上スネアをガンガン叩く感じではなく、
どの奏者も他の奏者の音をちゃんと聴いて反応しているプレイだと思う。
ただ演奏が長いのでプロデューサーのテオ・マセロが編集はしている。

『BITCHES BREW』というタイトル、「ビッチ」なんていう言葉、
当時相当ヤバイのでテオ・マセロはレコード会社上層部にビビりながら
マイルスの新作は「ビ、ビ、ビッチェズ・・」ですけどいいでしょうか?って聞いて、
上層部はマイルスがそう言うならしょうがないんじゃない、っていうことみたい、great !
マイルスが行きつけのバーにあったメニューに
『BITCHES BREW』(あばずれ女のたくらみ)っていうのがあって、
それからとったみたい。よくビールにBREW使うし。
シェークスピアのWITCHES BREWも関係あるのか?ないか?
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