やきもの屋になった訳

カテゴリー: 天池窯にっき
投稿者: okamoto

【2013年01月31日】

 政権交代後、3日もたたぬうちに株価が上昇するなど「経済」をめぐる動きが活発です。

大学は商学部を出た私ですが、勉強をしなかったせいなのかどうなのか、当時から、お金がお金を生むということが全く理解出来ず、誰かが割を食ったおかげで誰かが儲かるという社会の仕組みを良しとしませんでした。

「経済」とは人が体を動かして生み出した価値の総体のことであり、ものづくりが基本と考える私にとって、農業など人間のいのちを支える仕事はもっともまっとうな仕事に思えました。こんにち、一般に認識されるようになった「有機農業」のパイオニア達同世代の皆さんたちもきっと同じ思いだったに違いありません。

私自身は農業そのものよりも農閑期の仕事として日本の各地で盛んだった手仕事に魅かれ、暮らしの道具作りを目指すようになりました。

かつてバブルの時代に、よく「儲かるでしょう」と言われた事がありましたが、肉体労働の生産には限度があるので、便乗値上げでもしない限り世の中の「景気」とは無関係に淡々と仕事をつづけるまでのことでした。

バブルがはじけた直後、「もうモノは充分手に入れた、これからは心の時代だ」などと一瞬頭を冷やし世の中を冷静にみつめる機会もありましたが、すぐに百均など価格破壊と称する商売が横行し、今日に至ります。

またぞろバブル待望の社会現象、この国の人々は学ぶということを忘れてしまったのでしょうか?