映画『スリービルボード』

Composer#Michiaki Katoさんからバトン受けた、Film Challenge Batton。
自分流にアレンジ(いい加減に)やらせてもらっちゃいます。
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映画『スリービルボード』(原題:Three Billboards Outside Edding,Missouri)
2017年アメリカ
監督:マーティン・マクドナー 音楽:カーター・バーウェル
出演:フランシス・マクドーマンド ウディ・ハレルソン
レイプされ殺された娘の捜査が納得行かず警察に抗議をするばかりか、
町外れに3つの抗議の大看板(ビルボード)を自費で立てた主人公ミルドレッド。
人種差別主義者の白人警察官と主人公は真っ向から対立するが、いつしか
その関係性に変化が生じる。
主人公が頑張って、レイプ殺人の犯人を探し出すプチ感動モノの展開なんかを想像してたら、
これが全然違って、なるほど!と。情緒的にウェットな日本人の好きな
下品なお涙モノではなくドライな気持ちいい展開だった。
別の見方すると肉食的な人々ではあるけど*。
「庭の千草」というアイルランド民謡が冒頭と大事なシーンに使用されている。
アクティブでサスペンスなシーンへの音楽がベタに合わせない曲で、この
物語の方向性をしっかりブレないものにしている。
「庭の千草」は1930年代にそういう映画もあったし、
1944年のイングリッド・バーグマン主演の『ガス燈』の冒頭でも使用されている。
そういえば昔CMで僕もこの曲を編曲しました。
とにかく『スリービルボード』は
展開が飽きさせない秀逸な演出。主演のおばさんフランシス・マクドーマンドらの
実力派の演技が問題を抱え悩む人達が家族と別のところで繋がっていくところが素晴らしい。
マクドーマンドはコーエン監督の『Fargo』(1996)でも主演でいい味出してたし、
アカデミー賞エミー賞トニー賞という映画舞台テレビの3大賞をすべて獲ってるすごい女優。
『あの頃ペニーレインと』『North Country』では助演で出てた。
この貧しいミズーリ州の田舎町、これらはラストベルト(Rust Belt)とか言って
錆びついて見捨てられた白人たち・・・こういうこの人種差別主義者の白人警察官が
トランプ支持しちゃうんだろうな、みたいな想像しちゃった。
ただそういう政治的社会的対立が主題ではなく、パースナルなところに帰結している。
政治的な善悪をやっちゃうと説教になっちゃう恐れありだけど、一切説教には
なってない。これ凄いコンセプトの強さが感じられます。
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