続・1968年音楽地図 日本篇

カテゴリー: 音楽
投稿者: suoyon

【2018年10月24日】
1968地図



続き・・1968年音楽地図 日本篇
レコードコレクター誌の特集「1968年の音楽地図」だが日本の歌謡ポップ界はというと。グループサウンズ全盛期で今話題のジュリー沢田研二のタイガースは「ヒューマンルネサンス」というアルバムをリリース。ただGSが日本のロックかというと・・・だいぶ?がつく。

欧米ではベトナム反戦、学生運動、ヒッピーなど反体制な下地と、黒人のブルースがあってそれを反映させた面のロックだが、日本ではほぼ職業作家が書いた曲を歌ってヒットしていた。テンプターズなんかも最初メンバーの曲だったが2作目「エメラルドの伝説」(1968)は、なかにし礼、村井邦彦という作詞作曲陣で、ちゃんと事務所が絡んでヒットさせましょう、な流れになってる。スパイダースもムッシュかまやつさんの曲「フリフリ」がシンプルなロック風味から、次は「夕陽が泣いている」(浜口庫之助作)と売れ線歌謡へ。勿論これはこれでいい曲だ。ただ歌謡界の職業作家もまだ若く今後大御所になっていくプロセスの段階のようだ。今振り返ると面白い。

当時僕はハプニングス・フォーというバンドが好きで、その後自分も業界に入ってからそのメンバーのクニ河内さんとCMの現場でお会いすることができた。このバンドはコアな人に評価高いが、ブーガルーというリズムが流行った時にそんなレパートリーもあった。また業界入りした後1980年頃僕はムッシュかまやつさん(今年逝ってしまった)の事務所に所属してた。

そんな中、ジャックスとフォーククルセダーズは浮いているというレココレ誌の指摘は合っていると思う。事務所やレコード会社が進めるエンタメ的な音楽ではなかった。精神的にロックしていた。まだ吉田拓郎やハッピーエンドもユーミンも出てない時代。シンガーソングライターが日本にも定着するのはこの後。ただ加山雄三、荒木一郎っていう人たちは自作を歌ってた。

一方歌謡界の王道側では黛ジュン「天使の誘惑」がレコード大賞。いしだあゆみ「ブルーライトヨコハマ」が大ヒット、小川知子「ゆうべの秘密」、美空ひばり「真赤な太陽」。「真赤な太陽」はロックだとか言ってたような気がするけどロックではない。 伊東ゆかりの「小指の思い出」、、「あなたが噛んだ小指が痛い・・」なんていう出だし、凄いよね〜今思うと。昭和元禄という言葉も出た時代でしたね。


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