ラリー・コリエル逝って1年


ラリー・コリエル逝って1年・・・思い出す1986年東京での名演!
時は1960年代末、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、マイク・ブルームフィールドっていうギタリスト達が楽器奏者なのにポップのアイドルになった。そこにジャズ側からもロック的な音を出す、つまりジャズギターっていうとクリーントーンなのに歪み系の音色でロック風なプレイで、当時のガキにとってもカッコイイと思える奏者が出現した。
そんなギタリストがラリー・コリエルだ。
思い出すのは1969年頃にフルートのハービー・マンのJazzRockなアルバム『MEMPHIS UNDERGROUND』(コアなジャズファンからはチャラいという評価だった)に参加していて当時の当時の流れであるロック化するジャズに貢献したスタイルの第一人者だった。
僕はその曲「Memphis Underground」を高校の頃演奏してた。僕も高校の時からそういうジャンル超えの洗礼を受けて、結局それが生涯、そのコンセプトが身体に染み込んでる。そして69年のマイルスの『IN A SILENT WAY』でのジョン・マクラフリンなど凄テクのギタリストがどんどん出てくるが、コリエルがそう言うジャンル超えの先陣を切っていたギタリストのひとりだ。Trpのランディ・ブレッカーとイレブンスハウスというフュージョンバンドもやっていた。
1986年のライヴアンダーザスカイ(よみうりランドイースト・東京じゃなくて川崎だった)でのコリエルとアル・ディミオラのアコースティックギターデュオ、というか2人のギター侍の一騎打ちはコリエルの名演のひとつだろう。あまり楽器のテク競争みたいな音楽に基本的には興味ないほうだが、この「対戦」のような一騎打ちはちょっと面白い。
曲はチック・コリアの名曲「Spain」。
ディミオラはすでに70年代中期にチック・コリアのReturn to foreverのelectric系バンドに参加していてテクニック的にはコリエルより遙かに凄いので、誰もがディミオラの勝ちだろうみたいな気持ちで見ていた。
ところがディミオラの綺麗なフィンガリングとミュートやトレモロやあらゆる奏法を駆使した粗つのない華麗なソロの後のコリエルのソロ、、、これが、これが!!テクを超えた熱い熱い心がギターに乗り移って聴くものを圧倒、そして1音1音のダイナミクスの凄さにも感激してしまった。やはり学んだ通りの教科書的スケールとかではない、最後はパッションというか人間力というか・・・コリエルの熱さに圧倒されたのを思い出す。これはYou Tubeにも上がってます。
Trpの日野皓正が1970年代初頭にニューヨークでコリエルと一緒にバンドしていて、コリエルは「自分にはテクニックがない」と日野さんに言う。日野さんはコリエルに「それがいいんだよ指が速く動くだけじゃないよ」みたいなことを言ったとか、、、ですよね。しかしテクないって言ったって普通から見たら相当な相当なテクだけどね・・・ラリー・コリエル昨年2月に73歳で逝去。あの眼鏡と独特の雰囲気が忘れられないミュージシャン。
ちなみに『MENPHIS UNDERGROUND』に参加している他のミュージシャンはチャック・レイニー、バーナード・パーディなど、ソウル系のスタジオミュージシャンの凄いメンツだ。
yukko project
プロフィール
ミュージシャン
- 南正人さんが亡くなった
- ピーター・グリーン73歳で逝去
- ゴダイゴの浅野孝已さん逝去
- カリスマミュージシャン村田陽一とランチ
- 「EMANON」WAYNE SHORTER
- BEGGARDS BANQUET 50周年!
- Claus Ogermanの弦アレンジ!
- アレサ・フランクリン逝く
- 作曲家の富貴晴美さんと
- KOKIAのファンブックに
映画音楽
- 『THE READER(愛を読むひと)』のあるシーン
- 『秋刀魚の味』のバーのシーン
- ドラマ『太陽の子』(作演出:黒崎博)
- Miles Davis『KIND OF BLUE』(1959)
- 『PHANTOM THREAD』(2017年)について
- 映画『VERTIGO』(めまい) 1958年
- 映画『スリービルボード』
- 「映画音楽カミクダキ」4.19 ガレリアカフェユウ
- 日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞!!!
- 「キネマ旬報」の12月上旬号
雑感
- 謹賀新年 2021年
- 政治家の現代用語の基礎知識、最新版とは!!!
- 政治家の現代用語の基礎知識、最新版とは!!!
- 刑事裁判の証拠開示のデジタル化
- 蓼科湖近くの無藝荘
- 長野県に渋谷が!!
- オンライン&信州生活
- コゴミ
- オンラインで「映画音楽作曲講座」!
- 樹木もLock Down!
音楽