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カテゴリー: 映画音楽
(2022年09月11日)
投稿者:suoyon
タムのセット





シコふんじゃった!2022

1991年の周防正行監督の映画『シコふんじゃった。』が
31年経ち配信ドラマ『シコふんじゃった!』になり
再び音楽担当しました。
10話からなる物語。前回からそのまま30年経ったという設定で面白い。
3月末辺りに打ち合わせをして8月まで作曲、
MA(映像と音関係を仕上げる作業)に入ってからもまだ作曲していた。
まとめて作曲をしてレコーディングし、それらの音楽40曲(バリエーションやボツ曲含めると80テイクがPCにあった)
をどう毎話にあてはめるかも自ら提案し、
ほぼすべてのプリミックスとMAに立ち会ったので
3月からほぼ休み無く(他のスケジュールもあるし)働いた。(歳なのに)

監督は映画『カツベン!』で日本アカデミー優秀脚本賞受賞の片島章三を
メインに若手監督3人(後閑広、廣原暁、植木咲楽)が1話ないし2話担当。
主演は葉山奨之、井原六花。ダンサー出身の井原六花の四股は見事です。
清水美砂、竹中直人、柄本明、田口浩正、六平直政も出演。
ディズニープラスで10月26日より配信予定。英語字幕版もあり世界配信。

また1991年映画『シコふんじゃった。』というとおおたか静流が歌った
エンディング曲「林檎の木の下で」が大好評だった。これは一応タイアップなのだが、
当時一緒にバンドやってたおおたかさんがソロを出したタイミングで、
そういう繋がりで決まったし監督も気に入った音楽。編曲が加藤みちあき、
このみちあきさんのアレンジが映画の雰囲気にもバッチリで、
よく『シコふんじゃった。』の音楽よかったです。「林檎の木の・・」って言われたが、
これは私じゃなくてみちあきさんのおかげ、おおたかさんのおかげなんです。
あらためてお二人に感謝です。そのおおたかさんに報告しなくちゃ、
という矢先の彼女の旅立ち、告別式でご報告。
みちあきさんにもお伝えしました。

今回もその「林檎の木の下で」をインストで劇中音楽として使おうということで
demoや映像への仮あてを行っているうちに音楽チームに参加している
Jirafa編曲&歌のバージョンが監督プロデューサーに好評で、なんと今回もテーマになってます。
劇中でもインストとしていろんなバリエーションで使用しています。

写真はハバネラ風の曲にドラムではなく複数のタムをセットして叩いてもらった時のもの。
これは1991年版を踏襲しているが、曲は一応別曲。
カテゴリー: 映画音楽
(2022年04月01日)
投稿者:suoyon
ブリキの太鼓


映画『ブリキの太鼓』
1979年ドイツのフォルカー・シュレンドルフ監督の映画。
戦後ドイツ文学の代表作の映画化、とのこと。
昔なんとなくみちゃったけど久々にじっくり観た。
音楽がモーリス・ジャールなんですワ!これが。
ここでは心に残るミーハー向けメロディとかなくて、そのドライ感覚が
めちゃいいし、安っぽく通俗的にならない。
ジュースハープ風音色とか、ブリキの太鼓のフレーズが印象的。
冒頭はほぼ太鼓とグロッケンだけだし。

ポーランド、ダンツィヒ(グダニスク)を舞台に1918年から
数十年を、ぶっ飛んだ内容、子供が主役だけどオトナな物語、
戦争、ナチスに翻弄される人々、カシュバイ人、ユダヤ人、小人、
セックスなどの事柄を3歳で成長をとめた男の子を通して描いている、、
ちゅうことなのかな。主人公役は11歳の男の子・・・怪演デス
情緒的な感傷とか涙とかない・・・あと説教臭くないので、
そういうのを好む日本人向きではないのかも。
一時アメリカではポルノ扱いされたこともあったようだが、そんな
感じではない。時代は変わった。

ハリウッドには絶対ないテイスト、それだけでも
とりあえずいいんじゃないの、ってね。
ポーランドはドイツとソ連に挟まれて一時はナチスが台頭し、
町ぐるみでそういったポピュリズムに巻き込まれ
主人公の父親もナチス入党するとか、主人公が入ったサーカス団がパリに
行った頃連合軍が巻き返し、ダンツィヒの町にはソ連軍が押し寄せ
父親はソ連兵に撃ち殺される。
ハリウッド的娯楽映画的な面白さではないけど、これもあり、
昔は多少怖かったけど、今はオモシロイ。

フォルカー・シュレンドルフ監督というと
1967年の映画『Mord und Totschlag』
(英題:A Degree Of Murder)
音楽:ブライアン・ジョーンズ(R.Stonesの) 
主演:アニタ・パレンバーグ がソフト化してほしい。
カテゴリー: 映画音楽
(2022年01月09日)
投稿者:suoyon
IMG_1895 (1)



俳優のシドニー・ポワチエが亡くなった。
映画史上最初の主役級スターになった黒人俳優っていうイメージ。
写真は1955年の『暴力教室』で、学生の中心的な役柄。
その相手がヴィック・モローというのも凄い。
モローは僕らの世代だとTVシリーズ
『コンバット』でのサンダース軍曹で人気あった。

『暴力教室』では「Rock Around The Clock」という
ビル・ヘイリー&コメッツの曲でロックンロール
という若者向けの音楽ジャンルができちゃった、という
ロックの歴史という面では記念的な映画。

もうひとつの写真は『ラスト・ピクチャー・ショー』(1971)という映画。
この監督のピーター・ボグダノヴィッチ監督。この方も最近亡くなられた。
ボグダノヴィッチ監督は『ペーパームーン』(1973)が印象的。
いつもレトロなアメリカの時代感が漂う。
『ペーパームーン』ではライアン・オニールとテイタム・オニールの親子共演。
『ラスト・ピクチャー・ショー』は1950年代のアメリカの田舎の雰囲気。
劇中音楽はすべて1950年代のポップ音楽の使用。
『タクシードライバー』の美女シビル・シェパードが女子学生役で
まさかのヌードシーンあり!
カテゴリー: 映画音楽
(2021年12月27日)
投稿者:suoyon
マダムと女房






『マダムと女房』  (ヴィンテージ映画勝手に感想シリーズ!)

で、日本初のトーキー映画はというと1931年松竹の『マダムと女房』。
『ジャズ・シンガー』に遅れること4年、、、でもでも飛行機での
行き来のない時代、いろんなものは船で日本にやってきて、そこから
あれこれ情報得て開発したり、製作したりなので4年は凄いかも!
それに『ジャズ・シンガー』はサイレントが大半なのにこちらは
完全なトーキー。大阪松竹の土橋兄弟が技術開発した土橋式松竹フォーン
というサウンドトラック方式とのこと。

『マダムと女房』五所平之助監督 主演は渡辺篤、田中絹代
この時代の田中絹代さんいろんな映画で主演してて凄いです。
ただ当初、田中さんは喋りに方言がありトーキーに自信なかったらしい。
しかし最初の主演女優がスキャンダルで途中から撮影に来なくなってしまい
ピンチヒッターで田中絹代登場となったらしい。
内容はコメディタッチの日常性のドラマ。主演の渡辺篤は浅草
オペラ出身のせいかギャグ的なセンスもあり、肩の力抜けた
今に通じる普通の感じがいい。北野武監督が好きな俳優のひとりに
あげているがうなずける。
音楽・・・劇中音楽はないが、隣の家にやってくるジャズバンドが
劇中音楽の役割をしている。ジャズと言っても1931年ですからね。
Trp,Trb,Alto&TenorSax,Banjo,Drums,Xylophoneそして歌という
編成でオリジナル曲「スピード時代」「スピードホイ」が演奏される。
また、冒頭、主人公が「巴里の屋根の下」を口ずさんでいるのもオシャレ!
映画『巴里の屋根の下』は1930年のフランス映画だから取り入れるのめちゃ早!
とにかく日本的な教訓とかお説教系ではなく洋風なセンスで日常を淡々と描いている。
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(2021年12月15日)
投稿者:suoyon
ジャズ・シンガー2


世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』(1927年)。

活動写真、無声映画の時代から、映画に音がつくようになった長編作品の第1作。
とは言え、70%はサイレント・字幕に音楽をつけたスタイル。

歌、演奏のシーンがトーキーでその前後に少しアドリブ風なセリフ
「Wait a minute,wait aminute.You ain't heard nothin' yet!」が
世界初、映画からセリフが聞こえたシーンになる。

写真はDVDのジャケット。
黒塗りで歌うのは19世紀に流行ったミンストレル・ショーの名残り。
白人が黒人の真似をするのが、この時代でもあったんだ、ということがわかる。

内容はニューヨーク、ユダヤ教司祭の息子が歌手になりたいのだが
厳しい父が許さず、家出をして歌手になるというもの。
最初に10代の主人公が居酒屋ライヴで歌うが1曲めはスローでいい曲、
2曲めはラグタイムのリズムに乗ったもので、ダンスはM.ジャクソンの
ムーンウォークの原型か?!とも思わせる動き。
ジャズといってもニューオリンズでジャズが生まれたのが1900年頃、
1920年代だとまだスウィング・ジャズも出来ていない、ラグタイム風な
リズムに歌っている感じ。今見るとあまりジャズ風には感じない。
全然下品ではないが、夜の居酒屋で歌うような音楽、当時はいかがわしいほうの
部類だったのかもしれない。リズムに乗って譜面に書いたとおりじゃなく、
その歌手のニュアンスで自由に歌う雰囲気が生き生きしていて、それが
ジャズと言われて白人の間にも広まったのだろう。差別の時代が
ずっと続くのに、白人もジャズに熱中したのは映画「コントンクラブ」でも
描かれたいた。
主役のアル・ジョルソンはなんと19世紀末リトアニア生まれのユダヤ人。
そんな移民の方がアメリカを代表するジャズの映画の主人公、
アメリカってすげえ国だ。
大人になり歌手として活躍する主人公が「ブルースカイ」を歌うシーンがあり、
ジョルソンはメロディを自在にフェイクしている。今で言うミュージカル風な歌い方とも言える。
すでにブロードウェイではミュージカルが全盛を迎えていた頃だし。
この「ブルースカイ」はアメリカのスタンダード歌曲の大御所アービング・バーリン
(「ホワイトクリスマス」の作曲が有名)の作曲だが、
この方もロシア(今のベラルーシ)生まれのユダヤ人。
やはりジャズ・スタンダードは黒人のリズム、ユダヤのスケール感覚(西欧ドレミファソラシドを外す自在なムード)
のメロディからできてるといってもいのかも。おおまかですが。
ちなみにジョージ・ガーシュウィンもベニー・グッドマンもユダヤ系ですね。
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(2021年09月17日)
投稿者:suoyon
小諸からの夜景



軟禁中に!じゃなくて療養期間中に・・
もうこのさい閉じ込められてるんだから
刑務所モノの映画でも見ようと思って
刑務所モノの最高傑作『ショーシャンクの空に』(1994)
のDVD持って行きました。

『ショーシャンクの空に』は名優モーガン・フリーマンが
『ドライビングMissデイジー』(1989)での演技、あのセリフの言い方最高だなって
フリーマンの演技も観なくっちゃと言う理由もあってあらためてね。

刑務所モノ・・確かに最後の脱獄シーンは鬱憤晴らしで
エンタメ的に気持ちいいですが、
それよりティム・ロビンスとモーガン・フリーマンの二人の会話、その交流に
惹かれた。といってもプチ感動とかナミダ系じゃないのが良いところ。
日本人は泣けるとそれは良いという構図があるみたいだけど、
全然そういうことではないです。
僕は監督、スタッフ、役者さんが一体となって惹きこまれるシーンなんかに、
いい仕事してる!ってナミダでます。悲しいとかのシーンじゃなくてね。

音楽はトーマス・ニューマンでニューマン一族ですね。音楽一家的な。
演技の邪魔しない目立たない音楽も上手いです。特に独創性っていうのではないけど。
モーガン・フリーマンはナレーションでも
アメリカのナレーションやらせたらのベスト1位に
ランクされてましたね。
アカデミー賞7部門ノミネート。
公開直後は当時もっと派手で売れた作品があって興行的には
失敗と言われたけど、だんだん評価高くなり、
その後アメリカ議会国立図書館フィルム登録簿に重要な
芸術的な映画として保存されてるらしいです。
同じフランク・ダラボン監督の『グリーンマイル』も
同じスティーヴン・キング原作の刑務所モノ、でもこっちはファンタジー。

写真は小諸の夜景。
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(2021年07月07日)
投稿者:suoyon
Jirafa新聞記事2021

音楽仲間の作曲編曲家Jirafaが中日新聞岐阜版に載ってます!

映画『ブルーヘブンを君に』が岐阜を舞台にした作品だし、Jirafaは岐阜出身です!
カテゴリー: 映画音楽
(2021年05月26日)
投稿者:suoyon
ブルーヘブンを君にパンフ




音楽仲間のコンポーザーJirafaが音楽担当した
映画『ブルーヘブンを君に』が6月11日公開です!
(緊急事態宣言で映画館はわからないのですが今のところ)

主演:由紀さおり 監督:秦建日子 
音楽:Jirafa

https://blueheaven-movie.jp

https://www.youtube.com/watch?v=numZa42eD_Q

岐阜が舞台、青いバラ、高齢者、空を飛ぶ・・・心温まるストーリーです。
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(2021年03月28日)
投稿者:suoyon
日本人の忘れもの (1)


ドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの』は今日本人として生きている者に
とって意外に知らないことを教えてくれる大事な事柄を描いている凄い作品。
昨年日本各地で上映、今年も広がりそう・・DVDも出ていた。

なんと言っても仲間の作曲家吉野裕司さんが音楽やっていて、
いい仕事してるな!って。
吉野さんの音楽は情緒的に偏らないでオシャレ。
エンディングテーマもS.フォスターの
「Hard Times・・」をなんと!甲田益也子vocal。

しかし中国残留邦人のことやフィリピン残留の日本人の問題など
まだまだ戦後は終わってないのだと思う。また日本政府の対応も非常に
残念なものが感じられる。
東海村第二原発問題で活躍の河合弘之弁護士が企画製作、
朝日新聞の大久保真希氏も登場する。
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(2021年02月17日)
投稿者:suoyon
岸辺のアルバム2 (1)


『岸辺のアルバム』鴨下さんと「WILL YOU DANCE ?」

1977年のTBSドラマ『岸辺のアルバム』は数年前の懐かしのドラマランキングで1位だそうだ。辛口ホームドラマとしてテレビドラマの歴史の金字塔を打ち上立てた作品。このドラマの演出で有名な鴨下信一さんが2月10日に86で亡くなられた。
業界に入りたての僕はこのドラマの音楽制作アシスタント、、、まあパシリですね、してました。ですので鴨下さんにも打ち合わせ音楽レコーディングでお会いしています。
3ヶ月の連続ドラマ、毎週早稲田アバコスタジオでレコーディングしてた今では考えられない贅沢な時代。

鴨下さんは音楽担当の小川よしあきさんにも細かい注文を出していて、ディアトニークが、ドミナンテが、、と音楽用語で話されていたのを思い出す。
「ドラマのTBS」なんて言われる土台をつくられた方々が制作しています。

劇中音楽はジャニス・イアンの「WILL YOU DANCE ?」のインスト編曲と、中田喜子の律子役のところでもうひとつテーマモティーフがあったが、ほぼ淡々と感情移入を過多にしない音楽だった。全15話の後半にいくほど、劇伴すべてが「WILL YOU DANCE ?」の編曲になっていった。
どのシーンにもこの曲でいっちゃう・・・でも合う、、なるほどと思った。
当初は主演の八千草薫のテーマみたいな使い方だったのに、だんだんすべてこのメロディがドラマを支配した。
音楽制作的には面白くないが、映像との関係として興味深いことではあった。

物語は多摩川の氾濫を結末に、その前に一見平和そうな狛江に一軒家を構えた普通の家族が実は父は務めている一流会社が儲けを求め武器製造に走りそして東南アジアから女性を合法的に日本にこさせ夜の商売に売り、妻は不倫、賢い大学生の長女は外国人にレイプされ中絶、高校3年の長男は受験失敗に至り、わけわからない女の子と付き合い、その前に家族の秘密をぶちまけ家庭崩壊させ、自分は家を出る。そして家族が崩壊した時に多摩川が氾濫して家が濁流に飲み込まれまさしく家が崩壊する・・・いやいや山田太一原作脚本は当時としては画期的な話だった。
貞淑イメージの八千草薫さんが不倫!も凄いし、杉浦直樹さんの、家族を怒鳴り散らし長男を殴る、毎晩飲んでタクシーで帰る猛烈企業マンぶりも昭和な、、どこまでも昭和だ。女性の地位も、なんていう話が出る遥か彼方の時代。

ジャニス・イアンの「WILL YOU DANCE ?」はハバネラ調の素晴らしい曲で大ヒット、今でも活躍されているが、鴨下さん、プロデューサーの大山勝美、堀川敦厚、出演の八千草薫、杉浦直樹、竹脇無我、津川雅彦(敬称略)そしてなんと言ってもお世話になった音楽の小川よしあきさんもあちらの世界の住人、、、時代の流れを感じちゃいます。
ドラマの高校生や大学生役だった、国広富之、中田喜子、風吹ジュン、山口いづみさんらがほぼ僕の世代で活躍されているのが嬉しきこと。
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