カテゴリー: 音楽
(2017年09月10日)
投稿者:suoyon
そら豆2017



9.9 祖師ヶ谷大蔵アトリエそら豆での「周防義和やさしく映画音楽カミクダキ」は昼の会、夜の会ともに満席、ほんとうにありがとうございました。夜の会のほうは限定人数を遙かに超えてしまい、もしかして居心地悪かったかもしれません。反省ですね。
帰りに多くの人たちから楽しかった、説明がわかりやすかった、歌がよかったと、、また映像にどの音楽が合うかというクイズ形式のお客さん参加のお遊びも、みなさん真剣に考えてくれて感想もいただき楽しんでもらえたようで何よりでした。生演奏でもJirafaの歌、僕の歌、tomo the tomoの歌とミニライヴという感じを挟み込みました。また次回に繋げられれば、と思っています。
写真は夜の会終了後にまだ残っていた方々とのショット。私は一番奥の方で右手を挙げてます。白い帽子がtomo the tomo、その向かって左がJirafa、という各出演者です。
カテゴリー: 音楽
(2017年07月18日)
投稿者:suoyon
stravinsky



写真はどれもストラヴィンスキー『春の祭典』絡みのもの。右上は2010年のフランス映画『シャネルとストラヴィンスキー』(監督:ヤン・クーネン、原題:Coco Chanel & Igor Stravinsky)のDVD。
あの有名なシャネル創始者のガブリエル(ココ)・シャネルと同時代に活躍したイゴール・ストラヴィンスキーとの交流の物語。
冒頭から1913年のパリ。『春の祭典』のシャンゼリゼ劇場での初演をある程度再現していて興味深い。この20世紀音楽の歴史に残る大事件が再現されている。指揮者のピエール・モントゥーが登場し音楽が導入、バレエも始まると客席はざわつき、大騒ぎになり、次第にこの雑音のような野蛮な音はなんだとかで警察も駆けつける大スキャンダルになってしまう。公演は大失敗に終る。今なら『春の祭典』はそんなに前衛でもないが当時1910年代、バレエといえば『白鳥の湖』『眠れる森の美女』などまだまだ19世紀的ロマンティックなものが一般的だった時代。『春の祭典』の異教徒的な大地礼賛やらリズムや不協和音の革命的な音楽は斬新すぎた。しかし数年後には絶賛され今日に至っている。
別の資料で見た話では初演に来ていた作曲家サンサーンスは「ファゴットの使い方が酷い」といって途中で帰ったとか、そして怒号の中で必死にテンポをカウントする振付のニジンスキーなども描かれている。公演後ニジンスキーの振り付けが悪いとストラヴィンスキーが怒る場面もある。また劇中では『春の祭典』の様々なモティーフを劇伴で使用したり、主人公ストラヴィンスキーがピアノでモティーフを再現したり、それが何度か目ではオケの音もミックスされたり、面白い。
またココ役のアナ・ムグラリスは実際にシャネルのモデル経験もある女優なのでその衣装の着こなしは見事!色っぽい。
物語はすでに成功者だったココ・シャネルがロシア革命で祖国に戻れなくなり財産を失ったストラヴィンスキー一家がシャネルの援助を受けてパリ郊外で住むうちに不倫関係になるというものだ。ある程度は事実らしい。
さてさて、戻って写真だが、
左上はシャルル・デュトア指揮モントリオール交響楽団の演奏のCDジャケット。左下は小澤征爾指揮シカゴ交響楽団演奏のCDジャケット。右下は大植英次指揮ミネソタオーケストラ演奏。それぞれ良さがある。デュトアのが好きかな。以前デュトア指揮NHK交響楽団の『春の祭典』のリハーサル風景をドキュメントしてたが、完全に暗譜していて厳しくリズムの縦線を注意するデュトアの凄さを感じた。実際の指揮も完全にこのリズムが身体に染み込んでいてクラシックには珍しくデュトアさんの指揮にグルーヴを感じた!
有名な指揮者カラヤンも最初は『春の祭典』のリズムが理解できなくて若手の指揮者に、この分母が変わる変拍子をどうやって振るのか?って聞いたらしい。
ウェットでセンチなメロディを好む多くの日本人にクラシックでもこの『春の祭典』無理っすね。いいです、僕好きなんで。
以前にストラヴィンスキー生誕100年番組のドキュメントのことをここで書いたが、とにかく『春の祭典』とMiles Davis『Bitches Brew』(1969)は最も好きな音楽。ストラヴィンスキーの3大バレエはどれもよく聴く。
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(2017年05月15日)
投稿者:suoyon
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ワタシ周防義和がやってた伝説!のバンドBREW-BREWの1stアルバム「文化ポップ」がリリースされたのが1992年。それから早25年(四半世紀)が経ったのですが、ななんと青山スパイラルのnewsicレーベルから世界112の国々に5月17日配信されることになりました!

BREW-BREWがどんなバンドかというと弦楽四重奏、アコースティックベース、エレクトリックフレットレスベース、ギター、ヴォーカルの7人からなる編成で
「文化ポップ」期BREW-BREWはViolin:竹内純、Violin&Vocal:金原千恵子 Viola:村山達哉 V.Cello:四家卯大 AcoBass:郷忠孝 ElecFretlessBass:泉尚也 Guitar,Melodion&Vocal:周防義和で周防義和と村山達哉の作編曲作品によるオリジナルな弦楽ロックを展開した。プログレではないですがクラシックでもないオンリーワンなノンジャンルなポップ。歌ありインストありのこのポップってヒットチャート的ポップソングではない。とにかく勝手なやりたいことやってた。その後パーカッションの三沢泉も参加しBREW-BREWとしては4枚のアルバムを残した。
「文化ポップ」に関してはhttp://www.suoyon.jp/album/brew-brew-bunka-pop.html

映画『シコふんじゃった。』のレコーディングで周防義和と弦楽メンバーが出会い、ロック曲を弦楽四重奏でライヴしてたら青山スパイラルnewsicレーベルが面白い!ってことになったのが1991年。翌年「文化ポップ」を完成させた。
今回の配信記念にライヴを期待する声が渦巻いて、、、うむむ皆忙しそうで大変だけど、動いてみようか、みたいな機運が高まりつつの今日この頃デス!

現在メンバー各々自分の活動している。Vlnの竹内純は当時X-JAPANのツアーに参加、スタジオセッションを数多くこなし、現在は邦楽系奏者とヨーロッパをツアーしている。
Vlnの金原千恵子は福山雅治、桑田佳祐、小田和正その他多くのポップアーティストのストリングスを率いてまたソロでも数枚のアルバム発表でロンドンでレコーディングもしたり超多忙。
Vlaの村山達哉は映画音楽の作曲家として、またTRFなどポップのアレンジ、映像会社の経営に携わりと多方面での活躍。
V.Celloの四家卯大は小林たけしの傘下でミスチルの弦楽アレンジ、ソロ・アルバム発表、久米大作ユニット、大森俊之ユニットに参加、等で活躍。
E.Bassの泉尚也は多数のソロアルバム発表、数々のセッション、レコーディング、ツアーに参加、若手ミュージシャンのプロデュース、周防義和映画サントラに多く参加、tomo the tomo carpe diemでも活躍。
A.Bassの郷忠孝は多くのジャズセッション、バンドに参加、ジャズベースの講師としても若手を指導している。
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(2017年04月02日)
投稿者:suoyon
apr1雪2edit


NHK朝の情報番組「あさイチ」のテーマ音楽改訂しました!
2010年に番組スタートから7年間使われた「メインテーマ」や「あさごはん」のコーナーテーマ音楽を新たに作曲、先日音響ハウススタジオでレコーディングしました。
前回は弦楽セクションにヴォーカル(tomo the tomo)が絡む音楽でしたが、今回は木管(パンフルート、フルート、オーボエ、クラリネット)、弦セクション、ピアノ、アコースティック・ギター、パーカッション(マリンバ、グロッケン、ラテン)にヴォーカルJirafaの声が絡む曲です。Jirafaの声は前回の「あさごはん」でも歌ったのに続きであり今回の「ごはんテーマ」もヴォーカル参加です。
番組の進行上、音楽ががんがん聴こえるわけではないですが、さりげなく支えるお仕事、ということです。

レコーディングの次の週は例の「映画音楽の会」と忙しい週でした。「映画音楽の会」ではクイズもあり3回とも正解した方もいたりで一緒に楽しみました。僕の歌「Out Of The Blue」もだいぶフェイクしたフレーズでも歌えるようになり進化デス!Jirafaは彼女が作曲した映画「ロマンス」のメインテーマを自ら歌いました。この第1回の映画音楽の会、また第2回と続けていたきたいです。

写真は4月1日の軽井沢に降った雪!これは自作の小鳥用のえさ台なんです。
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(2017年01月10日)
投稿者:suoyon
Stravinsky


昔のVHSビデオテープを整理してたら「ストラヴィンスキー生誕100年」のドキュメント映像が出てきた。1982年に放映されたものだ。それから35年経ってしまったんだ!
写真はその映像を写真撮ったものだが、ストラヴィンスキーが「春の祭典」を作曲した時に、ロシアバレエ団のディアギレフ団長にその不協和なリズムフレーズをピアノで弾いてみせたところ(今で言うdemo演奏かな)、ディアギレフは驚いて「こんなのが長く続くのか?」って聞いたそうだ。ストラヴィンスキーは「そうだ長く続く」と言った。
1910年代にストラヴィンスキーは「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」と立て続けに3大バレエ音楽をパリで発表、当時の音楽に革命を起こした、、、というか20世紀の音楽の新たな方向を示した歴史的な大作だ。しかし「春の祭典」の評価は散々なもので酷い扱いをされた。その後大変な評価を受けることになる。

いやいやこのドキュメントは面白い興味深い。「春の祭典」の日本初演(1950年代大阪での初演)のエピソードは、なんと指揮者がどこやってるかわからなくなり、演奏者は適当にそれらしい音を弾き吹き続け、トランペット奏者のフォルテのフレーズで偶発的に終った、とか。当時は難解曲と言われてた。

とにかく「春の祭典」のリズムのフレーズはメチャかっこいいと20代の時思った。一番好きな音楽のひとつだ!僕の20代の当時ドビュッシー、バルトーク、ストラヴィンスキーのお蔭でクラシックにも現代人の価値観に通じる普通の音楽があると思った。3和音の音楽はある意味異常な人工美なので(勿論素晴らしい音楽であることは確か)不協和音は普通なんだと。
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(2016年08月06日)
投稿者:suoyon
ビート・ポップス

昭和のテレビ界の大物タレント大橋巨泉さんが82才で逝ってしまった。
もういろいろなところでその才能を紹介されているのでそれは省くが、実は僕も大橋巨泉の影響で育ったひとりと言える。
それは1967年~70年頃にフジテレビで土曜日の午後3時からオンエアされていた1時間番組『ビート・ポップス』だ。今となっては伝説的な、、日本のポップ史上のエポックメイキングな番組と言えよう。

巨泉さんはまだテレビ界で超有名ではなくジャズ評論家の名残のある頃だったのだろう。『ビート・ポップス』は洋楽情報番組で「Music Life」編集長の星加ルミ子、「Teen Beat」編集長の音楽評論家木崎義二を両脇に控えて巨泉さんの司会で進行する音楽番組だった。
そこではビートルズ、ローリングストーンズ、オーティス・レディング、サム&デイヴ(このサム&デイヴの1970年来日公演には高校生ながら行き、リズムの凄さに圧倒、日本が好きなナサケナイ女々しきメロディ志向からどんどん離れることになる・・よってその後に起こる日本のフォークの貧乏ったらしいちょい悲しきかなメロディ志向も受け入れずのカラダになる)、ダイアナ・ロスとシュープリームス、サイモン&ガーファンクル、シルヴィ・ヴァルタン、ビージーズ、ドノヴァン、ウォーカー・ブラザーズ、ヴァニラ・ファッジ、等々を知ることができ、時にプロモーションフィルムも流した。スタジオには視聴者から応募されたのだろうか多くの若者が音楽に合わせて踊り(当時の流行はゴーゴーダンス)、いわゆるお立ち台的な目立つ位置で踊っていたモデルの小山ルミ、杉本エマなんていう女の子をスターにした。中学生の僕らはみんな憧れたデス。まだディスコ時代の遥か前にこういう番組が礎になってたんだなあ、、、なんて。

それ以前に洋楽を日本人歌手がカバーする『ザ・ヒットパレード』はあったが洋楽をそのまま流す番組はなかった。中学生の僕や友達は必ずこの番組を見て洋楽ポップに夢中になったわけだ。
また振付師として藤村俊二も出演していて時に簡単なステップを皆で踊ろうというコーナーがあって、テレビのこっち側で中学生の僕もステップを踏んだ思い出がある。巨泉さんはジャズ好きなのでそろそろロックが旋風を巻き起こす直前のポップに特になにかコメントを言っていた記憶はない。ビートルズやストーンズ、モータウンのR&Bもがんがんヒットを飛ばしていた時代、とにかく当時としては若者向きのカッコイイ番組だった。小学生時代に見てた『ザ・ヒットパレード』はなんとなく見ていたが、この『ビート・ポップス』の影響で日本の歌謡曲に全く興味なくなってしまったとも言える。
巨泉さんの番組ではその後深夜ラジオの「巨泉プラスワン」をよく聴いてた覚えがある。そこではジャズをよく聴いた。無名のタモリを最初に知ったのはこの「巨泉プラスワン」かも。
とにかく大橋巨泉さん、昭和の偉大な才能だった!
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(2016年04月23日)
投稿者:suoyon
義和マイクで



今年もMPJでの作曲編曲講座の季節になりました!

5月12日(木)と27日(木)の2回に渡ってMPJの作曲編曲講座で周防義和が担当します。両日とも19時30分から2時間と少し行います。

今回の題材は映画「舞妓はレディ」を取り上げます。
ご存知のようにこの作品で私周防義和は2015年の4つの映画音楽賞を受賞しました。12日はそのシーンの映像解説とともにスコアでの音楽分析します。具体的な講座といえます。
そして作曲課題を出題し27日の講座は参加者の楽曲発表し私がコメントさせていただきます。映画音楽の裏側のお話もしますので作曲を専攻されない方でも楽しめると思います。
MPJは東京、豊島区。山手線大塚駅からすぐの場所です。
詳しくはMPJのhpから入ってお申し込み下さい!

MPJとは___日本最大のアーティスト・ソングライターのための音楽コミュニティ。
こちら
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(2016年02月17日)
投稿者:suoyon
赤シャツサイズ小

周防義和アルバム『遇游歌集』完成記念!
tomo the tomo carpe diem ライヴ at 楽屋(らくや)
2015年の日本アカデミー賞、毎日映画コンクールなど4つの映画音楽賞受賞のコンポーザー 周防義和がロックミュージシャンとしてライヴを敢行!  映画音楽で魅せるオーケストレイションとは異なるバンドシンガー、ギタリストとして初の本格SOLOライヴ!
アルバム『遇游歌集』でのオリジナリティに充ちたサウンドはコアな方々に最大限の評価をいただいた。
tomo the tomo carpe diem とシンクロする2ステージ、オトナな時間を堪能あれ!

1stステージ:周防義和solo 2ndステージ:tomo the tomo carpe diem
参加ミュージシャン:tomo the tomo(vocal) 泉尚也(bass) 三沢泉(percussions) Jirafa(keyboard&vocal) 周防義和(vocal.guitar&keyboard)
日時: 3月16日(水)18:00open 19:20start
料金:当日\4000 前売り\3500
場所:楽屋(らくや)   東京、中目黒駅から数分
住所: 〒153-0051 東京都目黒区上目黒2丁目15-6 モロバシビル1F
電話:03-3714-2607 http://rakuya.asia/top.shtml
ご予約は上記の「楽屋」のhpから予約のページへ、またはお電話にて。

昨年2015年は映画音楽受賞やソロ・アルバム完成など充実していたが、その記念のライヴなどができなかった。また6月にはちょっと入院してしまったが快復!今回は復活のライヴとなりんです!!!

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(2013年06月28日)
投稿者:suoyon

「さよなら」オンエアの画面より 

NHKーeテレで朝8時40分〜50分に放送されている『にほんごであそぼ』で私の作曲した歌「さよなら」が月歌に選ばれでオンエアされていますので是非ご覧になって下さい。(夕方5時15分にも再放送があります)

 

「さよなら」は明治生まれで大正期から昭和のはじめにかけて活躍した日本の詩人金子みす々の詩に作曲したという企画です。歌っているのはシンガーのおおたか静流。おおたかさんの歌は毅然としたフィーリング。女性とか男性を超えて普遍的な情緒に包まれた感じ。「さよなら」ということばからくる安っぽい感傷にはながされてないです。

 

また詩人の金子みす々、日本を代表する詩人で山口県生まれ、数奇な運命を辿り26歳で自ら命を絶っている方です。

金子みす々の物語はドラマ化されたり、その詩はいろんなところで曲がつけられています。

 

私の作曲はといえば、そうですね・・・明るくもなく悲しくない、微妙な線いってます、あえて。

和声的にはマイナーキーで始まりいつのまにか転調転調で最後はメジャーキーにたどり着いてますがすごく明るいわけではないです。勿論もろに悲しいとか暗くもないと思います・・・なんで微妙な線ということです。

 

元々この楽曲は同番組のお正月スペシャルでの公開録画番組(福島で収録)の為に作曲されたものを、今回新たにおおたかさんの歌をレコーディングして完成させたものです。

 

 

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(2013年02月25日)
投稿者:suoyon
 

20130225-debussy.jpg
写真は信濃毎日新聞に載ったドビュッシーの直筆スコアの記事。


昨年2012年は歴史的な大作曲家のクロード・ドビュッシーの生誕150周年だった。
東京日本橋では美術館でドビュッシー展が開催されたが、佐久でもドビュッシーの直筆スコアの展示がされた。
僕はその開催日の朝11時に行ったけど3人くらいが見てるだけで、ちょっと寂しかった。
まあ仕方ないでしょう。ドビュッシーって、ベートーヴェン、モーツァルト、チャイコフスキーなんかに比べたらミーハー人気の作曲家じゃないもんね。それでいいんです、ドビュッシーのこと簡単に解られてたまるかっ!みたいな・・・

管弦楽曲「夜想曲」なんかはしょっちゅう聴いていてほんとうに好きだ。
特に新しいレコーディングversionのオーケストラのを買って聴いた。フランスの国立リヨン管弦楽団で2000年代の録音。1970年代のオケの演奏と比べたら、明らかに今のオーケストラのほうがグルーヴ感がある。いわゆるノリがあるっちゅう感じ。
特に「夜想曲」の第二パートで3連系のリズム、ちょっとボレロ風とか、そういう南フランスからイベリア半島系のラテンのリズムが出てくるが、そのテンポ感はしっかりノリを捉えた演奏をしている。
クラシックにはあまりキープしたリズムにグルーヴするという感覚がないので、つまりメロディ自体の譜割りのリズムをリズムと考えていて、ボトムとしてのリズム感がないのだが、今の時代、現代の人になるにしたがって育ってくる状況にロックやR&Bなどがポップに溢れている
環境で育っているのでクラシックの人たちもやっとノリのある人々がどんどん出てきているのだと思う。これは素晴らしいことだ。

あと、最近やってる軽の車のCMでドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」がずっと使用されている。それも田舎に戻った若夫婦のホームドラマ展開に以外にもドビュッシーが合っていて面白い。
まあ結局ドビュッシーといっても人気あるのはわかりやすいこの曲とか、「月の光」とか、
ちょっと変わったところで「ゴリウォーグのケイクウォーク」とかね・・・そんなところです。
バラエティ番組での答えを出すまでの間の音楽もドビュッシーが使われていたりしている。

よくとらえれば、ドイツ系の説教臭い、でも人生の本質に迫るようなマジな、そしてわかりやすく盛り上がる系のクラシック名曲ばかりでは現代の多様な価値観を表現できなくなり、ついにドビュッシーさんの登場となったのか、とか、勝手に想像しているわけです。

東京で開催されたドビュッシー展ではストラヴィンスキーやエリック・サティとの2ショット写真も展示されていて、これにはちょっと興奮した。
ストラヴィンスキーはドビュッシーより後輩になるが、ロシア、ペテルブルグ音楽院でリムスキーコルサコフ先生に作曲を学んでいる時、リムスキーコルサコフ先生は学生たちに「君たち、ドビュッシーだけは聴いちゃいかんよ」と言っていたのだ。しかしセンスある学生たちのアイドルは皆ドビュッシーだけだったと、生前のストラヴィンスキーが自ら言っている。
またドビュッシーはサティに「もっとフォルムのある作品を作曲せよ」とも言っている。

同時代にモーリス・ラヴェルがいる。ラヴェルもめちゃ好きな作曲家だ。ドビュッシーよりきちんとしている気がする。特にエンディングも丁寧に書くところはさすがラヴェルだし、オーケストレイションの魔術師と言われるくらい「ダフニスとクローエ」のオケなんかほんと凄い。
ドビュッシーはそれに比べると発想が天才的でどこかに翔んでいていってしまう感じ。それでまとめられなくて以外にもド・ミ・ソで終わったりもしている。

しかしドビュッシーさんは2人の女性を自殺に追い込み、サックスと管弦楽の為の幻想曲では依頼主からギャラだけもらって完成させず、とかけっこうやんちゃしている。
また生まれは貧しくおばさんの家で育つようになってピアノを習い一気にその天才ぶりを開花させたようだ。
とにかく機能する和声進行を使用せずに、かといって前衛まではまだ行かない範囲での全く自由な発想での作曲、天才としか言いようがない。勿論時代が王侯貴族をスポンサーとする時代から移行して、必ずしも形式ばかりを重んずる傾向でなくなり、理論的にも平行5度の禁止みたいな窮屈なクラシック理論を打ち破っていったドビュッシーがいなかったら今に繋がるその後の音楽の自由な表現はない。