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カテゴリー: 音楽
(2021年01月21日)
投稿者:suoyon
AsTears2 (1)


ポップスタンダード曲を料理するシリーズは昔からやっていて、
それは子供の頃から聴いてたポップ音楽へのリスペクトを込めてます。

https://youtu.be/60NpPTuIEn4
今回の曲は「As Tears Go By」でベーシスト泉尚也参加でリニューアル!
「As Tears Go By」はミック・ジャガー&キース・リチャーズが1960年代当時に
マリアンヌ・フェイスフルのために書いた曲で、マネージャープロデューサーの
A.オールダムも作者の1人にクレジットされている。
僕は高校時代によくやっていた思い出深き曲。


https://youtu.be/_Fg5eHX2-HE
こちらはスライド・ギターのRec場面を以前にアップした
ボサノヴァの名曲「Corcovado」(A.C.Jobim)。
この曲も泉尚也参加でリニューアル!
2019年にジョアン・ジルベルトが亡くなった時がきっかけ。

コーダ部分は短いですが、
泉尚也フレットレスベースのアドリブ。
カテゴリー: 音楽
(2021年01月15日)
投稿者:suoyon
photo_fiddler's (1)

「Fiddler's Philosophy」
https://youtu.be/X9lGC6OsTuw

Violinist,Composerの桑野聖さんと2002年に作ったアルバムの中の
「Fiddler's Philosophy」をアップしました。
桑野さんとは1989年頃にCMスタジオワークで弾いてもらったのが最初。
それから30年ものお付き合いになる。

「Fiddler's Philosophy」は僕の作曲作品としても渾身の最高傑作。
7th系中心に、巧みなコード進行せずに大きな流れを作った。
ロック的であり、トラッド風な面もある。精神的には攻めている(つもりネ)。
ポップ・ロックなViolin Music、、と言ってもポップソングのポップではない
ですが。
Violinのパッションというか熱量がものすごく高い演奏になっている。
情緒的泣き系のメロではないメロディのスケール感。
途中の歪み音色もViolinにエフェクトかけて、その状態で弾いている、、
つまりミックスの時にエフェクトかけたのではなく、その音色で弾いた。
そのモティーフに沿った桑野Violinのアドリブが後奏の最後まで続く。
桑野聖アルバム『東方弦聞録』より
カテゴリー: 音楽
(2021年01月07日)
投稿者:suoyon
スクリーンショット 2021-01-07 23.28.50

『What's Going On』
昨年アメリカでの人種差別への反対運動があった頃に
『What's Going On』をカバーしてみたんです。
https://youtu.be/RZnRFb3aPFg

年末にベーシスト泉尚也も参加し、新たにリニューアル完成しました。
ギターも左手ヤバイんで1日30分弾いては次の日に廻してどうにかrecできました!
原曲をリハーモナイズして間奏も新たな提案してます。
といってもあの歌のノリは勉強もんです。
泉尚也さんは音大での授業でこの曲を題材にベースラインの分析をしてるとのことです、凄い!

『What's Going On』
マービン・ゲイの1971年のヒット曲だが当時はレコード会社の上層部に
「こんな売れそうもないR&Bはダメだ」って言われたが、今や歴史的な名曲になっている。
数年に一度やるアメリカの音楽誌の歴代ポップベスト1に選ばれてもいる。

僕は中学の頃はオーティス・レディング、サム&デイヴ、ミラクルズ、シュープリームス、
フォー・トップスなどR&B好きでしたし1970年のサム&デイヴの来日渋谷公会堂コンサートに
行ってるんです。衝撃でした、あのリズム!とグルーヴ!もうそれで情緒的メロディを超えて行けたのかも。

『What's Going On』はベトナム戦争から帰還したマービン・ゲイの弟から聞いた話をもとに作曲したらしい。
反戦の内容です。60年代の楽しきR&Bにはない。
60年代のエンタメ志向のモータウンR&Bにサヨナラしたという意味で
アフリカ系アメリカン(黒人)ポップ音楽の新しい礎である。その後の
ロバータ・フラックの「Killing Me Softly」などとともに黒人ってノリがいいだけじゃない、
ということを教えてくれた新しい動きのはじまりなのでしょう。

ただジャズを聴いてると60年代のマイルスやショーター、ハンコックなどのやってる
モードの音楽は音楽史上でも最も知的な音楽のひとつのような気がするので黒人って
リズムのグルーヴの凄さだけじゃないことは、そっち聴いてる人には当たり前のことなんだけど。

しかしアメリカはとんでもないことになっている。
『What's Going On』の歌詞がワシントンで起こった出来事にダイレクトであてはまる。
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(2020年12月01日)
投稿者:suoyon
オートリバースポスター (2)


PCでも聴けるラジコと全民放ラジオが共同で作ったラジオドラマ
『オートリバース』が12月に放送されます。
原作は高崎卓馬で電通の方です。
この劇中音楽を担当し、先日レコーディングも終えました。
(放送日は各局でバラバラなのでラジオドラマ「オートリバース」で検索してください)

1話15分が11話あるのでけっこうな分量ですが、
劇伴音楽はそんなに多くないです。
ラジオドラマは以前にも音楽担当したことがあるが、
これが実はなかなかのお仕事です。映像ないので、
セリフ、ナレーション、効果音と音楽という
音だけでの構成ですし、当然絵を観て作曲ではないわけです。
1980年代の物語で、劇中に1980年代のヒット曲も流すために
それとの対比風な劇伴の感じです。

音楽よりも注目なのはバイノーラル録音でセリフも録ったということです。
俳優さんはマイクの前でただセリフを言う普通のスタイルではなく、、、
東宝スタジオで録ってるんです。
長尾直樹監督とは映画『アルゼンチンババア』や
WEBムービー『10minutes story』やCM「キリンビール一番搾り」等で
数多くご一緒した間柄。

『オートリバース』は1980年代アイドル小泉今日子の追っかけを
してる若者を描いた作品。
原作本が書店に並んでいます。
タイトルの「オートリバース」って
昔あったカセットレコーダーのオートリバースのこと。
あったあった!懐かしいです。ラジカセやウォークマンとかね。
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(2020年11月21日)
投稿者:suoyon
ツヅクニチジョウ 2020-11-21 23.25.30 (1)


コロナ禍で日常が崩れてしまった2020年。
2年前に作曲した弦楽四重奏曲「トギレルユメツヅクニチジョウ」

https://youtu.be/_3yBttdFZqU (動画はこのURLからどうぞ!)
はそんなことを予言してたわけではないのですが、
普通の日常、途切れないことの大事さ、でも続く日常が
身に染みてきます。

この動画は大阪スクールオブミュージックのスタジオでの
毎年開催される周防義和企画監修の「弦楽セミナー」のひとコマ。
ポップ系打ち込み志向の若者たちに弦楽四重奏を作曲してもらうイベント。
勿論そこにたどり着くまで、1年間は弦楽の解説をご指導します!
決してクラシックやれ!っちゅうことではないです。
そして僕の曲も演奏していただいた。
僕の曲も広い意味でのポップ(ヒットチャート系のポップということではなくて)です。
演奏は京都芸大出身のViolinist水野万裕里率いるカルテット。
at Osaka jan.2019

スタジオが天井低いのと、別曲でリズム・セクションとのコラボ
もあるためマイキングは近いが、一応アンビエントも立てています。
Engineerは大阪を代表するスタジオアルケミー主催の北畑俊明。

動画は上のURLからどうぞ!(この写真は動きません)
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(2020年11月07日)
投稿者:suoyon
slideの手の動き


以下のURLはスライド奏法でギターをダビングでレコーディング中の手の動きです。

https://youtu.be/memck9iOn8k

今回はギターを椅子の上に置いて人差し指にボトルネックを付けて
の演奏です。他には通常のように肩からギターをさげて小指などに
ボトルネックを装着する場合もあります。人それぞれやり方ありです。
ギターは弾いてない他の弦も共鳴するので特にスライド奏法の時は
弾いてない弦を指でミュートしています。さりげなくやってるんです!
しかしこの奏法なら頚椎ヘルニアによる左手の指の強い押さえがきついので、
それに関係なくなり弾けるという利点ありです!

曲は「コルコバード」。普通ボサノバですが独自にアレンジしてます。
全編はこちらで聴けます。
https://youtu.be/8FORllaK10Q

2019年にジョアン・ジルベルトが亡くなった直後にアレンジ
してみました。
偉大なるジョアンさん、
そしてアントニオ・カルロス・ジョビンさんにリスペクトを込めて!
カテゴリー: 音楽
(2020年11月02日)
投稿者:suoyon
walk away,,,,






久々の歌作品をご紹介、発表します!
レイチェル・オングのために作曲した歌
「WALK AWAY , HEAD HIGH」は
以下のURLで是非お聴き下さい! 
https://youtu.be/ac1DLTCiNZc

次は1コーラス目の歌詞。

WALK AWAY , HEAD HIGH( lyrics : Rachel Ong music : Yoshikazu Suo)
Voices ask me for answers 頭の中での声が答えを探してる
Lost deep inside, words they hide でも答えがでない。言葉にならない。
Days past still I'm wondering どう長く考えても、
Was it wrong, was it right? 「正しいか間違いか」しかの思いがない
Forgetting ways to be brave 勇気というのはもう忘れてる
Darkness colours my name もうピュアじゃない
Take a leap of faith and play this game of life 思い切って人生というゲームをしてる
There's so many roads to choose 選択肢がたくさんある
With nothing to lose 何も失うものがない
for I'm stronger now inside 今はちょっと強くなったから
Time to say goodbye, walk away head high もうやめる。誇りもってやめる。

・・・・・・・・・・
リズムセクション録りには僕はいなくてコンポーザーギタリストの福本雄木に
感謝します。TDはレイチェルのディレクションで完成、ここにも僕はいなかったの
ですがレイチェルの声はいい感じになってます!
メロディは書いた譜面をレイチェルのニュアンスで
彼女独自の解釈やコブシが効いています。
カテゴリー: 音楽
(2020年10月29日)
投稿者:suoyon
wurlitzerGlori (1)

https://youtu.be/Ouq9OWTI0KI
ビル・エヴァンスの命日が9月15日だったけど1980年なので
40年経っちゃった。チックもハンコックもエヴァンスあっての・・ですね。
1961年のヴィレッジヴァンガードのライヴはピアノトリオ珠玉の名盤!
特にベーシストのスコット・ラファロ作曲の「Gloria's Step」は学生時代からのお気に入り。
そこでまたまたですが、キーボーディストでもないのにテーマ部をお稽古しました!
これ以上は弾けない、悲し!
その後の短いところはアドリブで関係ないことやってます。

1961年というとハードバップからモード・ジャズへの転換期。
一方でフリージャズも出現ですが、「Gloria's Step」はスタンダード歌モノ風コード進行から
少し脱して尚且Upper Structure Triadっちゅう分数になった、
それも非機能的な分数和声理論を用いててメチャクチャ最高に好きな響きです。
これにはまるとそこら辺りの3和音だけの音楽を
「ドレミ節ね」っていいのか悪いのかナメちゃう傾向がでちゃうんです。ちょいはんせー。

そして8ビート系にアレンジしてみました。
「Gloria's Step~MoMeMo」展開部のMoMeMoは僕のオリジナル曲です。
つなげてみました。ナマでやれたらなあっていうデモです。
https://youtu.be/fMeT1n8UKYQ
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(2020年08月31日)
投稿者:suoyon
LIVEEVIL (1)



『LIVE EVIL』Miles Davis 1970年レコーディング。

サックス奏者のスティーヴ・グロスマンが8月13日亡くなったらしい、69歳、残念です。
そのスティーヴ・グロスマンが参加してる『LIVE EVIL』。

マイルス・デイヴィスは『Bitches Brew』を1969年8月にレコーディングして
この新たな音楽に自信を深めたのだろう、次々にライヴを展開する。
そしてメンバーも入れ替わるが、異なるメンバーでも凄い演奏、
1970年末のライヴと1970年1月のスタジオレコーディングを2枚組にした
『LIVE EVIL』はライヴの凄い迫力とスタジオ曲ではWeather Reportのような
雰囲気を醸し出している。

なによりこのジャケット、『Bitches Brew』を描いたMati Klarweinのペインティング。
インドの様式美に近いらしい。
お腹の大きい美しい黒人女性のほう(右)がジャケット表で裏に当たる表4(左)が、
醜い金髪で白い肌のモンスター。マイルスも黒人としてのプライドが誰より高い人。
Black Lives Matter

演奏ではベースのマイケル・アンダーソンが凄い。この人、全くジャズの人じゃない。
これ以後このベーシストがずっと務める。
ディジョネットとアンダーソンのグルーヴは必ずしも合ってはいないので、
アンダーソンの場合はアル・フォスター待ちということになる。
そしてここではキース・ジャレットのエレピ、それもエフェクター付き、
が凄いグルーヴ感を見せる。マイルス・バンド以後はエレピはまず弾いていない
と思うので今となっては貴重かも。チックとかハンコックほど和声的なレベル高くないので
逆にシンプルに聴きやすいとも言える。

ジョン・マクラフリンのギターはここでも凄すぎ。
勿論マイルスのトランペットも絶好調!もう夜店で酒のツマミのジャズ音楽からは
完全にさよなら、ワウペダルも多用し、同じ音での音色変化でまるで
パーカッションのようなフレーズだったり、
これは上手いとは言えフレディ・ハバードにはない発想。
先駆的にそういうところに行けるというのがアーティストだと思う。

ソプラノサックスはスティーヴ・グロスマンはスタジオ曲に参加。
この時期はデイヴ・リーヴマンと並んで注目の若手だった。
そして『LIVE EVIL』にはゲイリー・バーツというアルトとソプラノの
持ち替えのサックス奏者が登場、ここでのライヴ曲はバーツ。

そしてこの後のマイルスでは『On The Corner 』が面白いし凄い。
『On The Corner 』はクラバーやヒップホップから再評価されたというのも興味深い。
カテゴリー: 音楽
(2020年08月21日)
投稿者:suoyon
Bitches Brew




『BITCHES BREW』 MILES DAVIS から51年経った日。

最も好きな音楽のひとつ、マイルス・デイヴィスの『BITCHES BREW』リリースから50年か、
感慨深い!レコーディングは1969年8月19日20日21日(ニューヨーク)なので今日で51年経った。

その数日前にはウッドストック・フェスティバルが開かれている。
ジャズもロックもなんかすげえ動いてた時代。
ベトナム反戦運動あり、若者はエスタブリッシュメントに抵抗する、みたいな時代だった。
日本では安保反対、学生運動、三島由紀夫の自決が1969年11月だった、、、
いやいや激動の時代。

『BITCHES BREW』
高校2年の時、最初に聴いた時はよくわからなかったけど、次第に魅了された。
今聴いてもまだ発見があり奥深い演奏の魅力に満ちている。
JAZZ史上最も革命的なアルバムとも言われている。
いわゆる2−5−1等のコード進行するスタンダード・ジャズのフォーマットじゃないし、
60年代の黄金のクインテット時代のモード・ジャズでもない、
一応モーダルな和声の延長かもかもしれないけど。リズムが凄い。

ドラマーはディジョネットとレニー・ホワイトのツウィンで16ビート系だけど2拍4拍で
スネアを打つ普通のロックにはほぼなっていない。
ジョン・マクラフリンのギターが今聴いても、こう来るか!っていうマニュアルなどない、
その場で反応しただろう独自な演奏している。

テーマモティーフはあるけど、
集団的なインプロヴィゼイションっていう感じで1曲が20分前後と長い。
ウェイン・ショーターはこのアルバムがマイルス・バンド最後。
チック・コリアとジョー・ザヴィヌルのエレピが絶えず動いていて白たまで伴奏することはない。
チックの和声感やフレーズはほんとフシギに満ちてて凄い。
スネアがロックしないことでその分、伴奏陣のリズムが見えやすいし画一的にならない。
その後のビリー・コブハムは手数多いけど好きじゃない、
アル・フォスターのドラムになってからはロックになっちゃって、その分聴きやすいけど、どうかなあ・・
『BITCHES BREW』はそこに隙間があってチックの動きも見えるのが楽しい。

また1974年のマイルス来日時に厚生年金で見たのでわかったが(この時は1曲が50分くらいで、それを2曲やった)、
バンドを指揮するかのごとく合図を送っていたマイルスなので
ここでもモティーフ設定やダイナミクスの指示をしているのだと思う。
和声的に単調になりがちな部分をリフレインしつつも盛り上がるという肉体的なダイナミクスがぐいぐい惹き込んでいく。

曲としては「ファラオズ・ダンス」「ビッチェズ・ブリュー」が素晴らしいが
チックのアイデアと思われる「スパニッシュキー」も決めフレーズに持っていく流れがめちゃかっこいい。
ショーター作曲の「サンクチュアリ」は「ネフェルティティ」の延長上のようで
伴奏陣が即興していてテーマメロディがリフレインされる。
4ビート風だがデイヴ・ホランドは4分音符でウォーキングせず動きまわっている。

ハーベイ・ブルックスがエレベでパターン奏してるときにホランドがアコベースでソロ風に弾いてる、
とか面白い。ベニー・マウピンのバスクラが低音域でソロっていうのではなくブリブリ来るのも
ブラックマジック風なジュジュ風な気分を醸し出す。

情緒的なメロディはほぼ無く、ウェットでセンチなメロディが一番という価値観の
一般的な日本人向きではないでしょうね。
(そうそう逆にJAZZでもマル・ウォルドロンの「レフト・アローン」とか日本では異常に流行ったし)

凄く上手いトランペッターというとクリフォード・ブラウン、リー・モーガン、フレディ・ハバードらがいるが、
マイルスはそういう演奏目線で計測できる狭いミュージシャンではない。
アンサンブルとかグループによるサウンドのことをいつも考えていて若手の起用や時代の先取りという面で天才的。

1960年代末からのロックの隆盛にマイルスはたぶん嫉妬していて、
自分もそれだけの規模で観客動員できる、したいと思ってたんじゃないかと。
それでロックやエレクトリックを導入していくわけだけど、
結果的に全然ロックではないし、スゲエ音楽に行き着いたっていうところ。
勿論いわゆるJAZZっちゅうことでもないのかもしれない。

もうひとつは、
60年代の黄金のクインテット(ショーター、ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズにマイルス)
は黒人だけの編成で、こんな知的な音楽はないんじゃないかというくらい高度な音楽だった。
それがモーダル・ジャズの頂点まで行ってしまって、
マイルスはロックやエレクトリックに次の活路を探したのかな、っていう感じ。
それと黒人だけにとらわれないメンバーキャスティングしている。

試行錯誤のあと名作『IN A SILENT WAY』で白人ピアニスト・コンポーザーの
ジョー・ザヴィヌルの曲を起用、問題提起でありつつひとつの結果を残し、
きっとマイルスは自信を深めたんじゃないかっていう気がする。
黄金のクインテット時代はウェイン・ショーターに任せてたサウンドを
この『BITCHES BREW』では完全に自らイニシアティブとってる気がする。
ショーターのほうはマイルス・バンド辞めてブラジル志向だったりもありつつ
ザヴィヌルとWEATHER REPORTを結成する。

あと1969年というとまだ60年代フリージャズの名残もあって・・
アルバート・アイラー、アーチー・シェップ、セシル・テイラー等頑張ってたし、
チック・コリアだってReturn to forever結成前はアンソニー・ブラックストンと
ARCっていうアヴァンギャルドやってた・・アブストラクトな価値観が生きている面もある。
その後クロスオーバーとかフュージョンというともっとコマーシャルで聴きやすい音楽、
楽器奏者の上手さ比べみたいな面にすべてではないが、行っちゃうこと思うと、
この『BITCHES BREW』はプレイヤーのテクも凄いけど
それを売り物にした安っぽい商業性のある音楽ではない。

音響面ではスタジオ・ライヴのようなセッティングで演奏したと思われる。
だからダイナミクス上スネアをガンガン叩く感じではなく、
どの奏者も他の奏者の音をちゃんと聴いて反応しているプレイだと思う。
ただ演奏が長いのでプロデューサーのテオ・マセロが編集はしている。

『BITCHES BREW』というタイトル、「ビッチ」なんていう言葉、
当時相当ヤバイのでテオ・マセロはレコード会社上層部にビビりながら
マイルスの新作は「ビ、ビ、ビッチェズ・・」ですけどいいでしょうか?って聞いて、
上層部はマイルスがそう言うならしょうがないんじゃない、っていうことみたい、great !
マイルスが行きつけのバーにあったメニューに
『BITCHES BREW』(あばずれ女のたくらみ)っていうのがあって、
それからとったみたい。よくビールにBREW使うし。
シェークスピアのWITCHES BREWも関係あるのか?ないか?
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