(2013年08月09日)
投稿者:wakui

みなさんごきげん如何ですか?

またまたご無沙汰してしまいました。

本当はもっと早くアップしていきたかったのですが、坂口導師の指導を受けて,しっかりマスターしたつもりでいた写真のアップの仕方を

暫らく休んでいたあいだに、鳥頭の私はコロンと忘れてしまい、再び多忙な師の教えを請うて、ようやくブログ再開に至ったという訳なのです。

こいうコンピューターの操作、すんなり出来る人と出来ない人の違いって何だろう。

得手、不得手とか得意、不得意などというけれども、それ以上に人の持つ能力の違いというものあるように思いませんか。

たとえば私は庭師にはなれたけど、大工の棟梁には絶対なれなかったと思うわけです。

こう見えても私、自分の家とか小屋とか何とか見よう見まねで建てているのですよ!

だからといってプロになれるかというと、それはまるで違う話で、少しばかりかじったからこそ見える高い壁がそこにあるわけです。

一人前の大工ともなると、墨付けや割付けひとつとっても高度な計算能力を要求されるし、複雑な木組みや組み手(ジョイントワーク)などにおいては3手~4手も先を読み

頭の中で3Dでイメージできる想像力を必要とされるわけです。

建前なんかではあなた、柱一本寸法間違えて短かったも、大変なことになっちゃうわけですからね。

その点、我ら造園の世界はお気楽なものでして、垣根の高さが3寸低くたって、世界がひっくり返っちゃうことはないわけです。

たいていの場合は、親方 おい!ちょっとためて見てくれや! 弟子 ”なから”じゃないですか!で済んじゃうわけです。

(”なから”とは、このあたりローカルエリアのみで通じ合う便利な言葉で、いい加減、または、よい加減ともいえる。)

・・・・・・・庭師でよかった!

ま! 庭師にはまた別な才覚というものが必要とされる、ということにしておきましょう。

 

さて和久井ガーデンも”なから”がほどよく積み重なって現在に至っているようなものです。

まごまごしているうちに、お庭のBest seasonが過ぎてしまいましたが、撮りためておいた画像をご覧ください。 

 

 

木漏れ日のような、 午後の光の当たり方が面白くて、気に入っている一枚です。

日中は光が満遍なく当たってフラットな景色ですが、早朝や夕暮れ、特に黄昏時の庭が私は好きです。

紫や白の花が、なにか妖しく浮き立ってくるんですね! う~ん・・・解かるかな?こういう感じ?

なんてね!

とにかく庭は、その時間の経過にしたがって刻々と表情を変えます。

写真家のアンドリュー・ローソンは、そういう庭の微妙な一瞬の光を捕らえたくて、自宅に庭を造ってしまったという話です。

BIZU に載っている彼の写真を見ると、納得できます。

僕のデジカメではちょっと無理かな? もちろん腕の問題でしょがね! 

猫のシャガはいつも何か狙っています。

シモツケ・ゴールドマウンドにいい感じの光が当たっていますね。

錆びた鉄の椅子に絡むクレマティスは、ヴィチセラ系のマダム・ジュリア・コレボンといいます。

我が家にはあまり似つかわしくない、ちょっとセレブな名前ですが、生育旺盛で、丈夫な新枝咲き系でほおっておいても毎年よく咲いてくれます。 

 錆びた鉄の椅子はインド製です。鉄は錆びてたほうが、にわにわにわっています・・・・・ウン?

クレマティス2種類が絡んでいるこういうオブジェを、オベリスクといいます。ヒノキの枝で作りました。

ヒノキは国産材の中でも、一二を争う、丈夫で腐りにくい木です。

 

 プリンセス・ダイアナという、花つきもよく、花期も長い、最も人気のある品種の一つだそうです。

今はもっとよく咲いているよ!

これは”ジャックマニー”?・・・・だと思います。これもポピュラーな品種です。

クレマティスは、花色や花形の異なる品種を組み合わせたりすると、より豊かで華やかな感じになります。

私はコレクターではありませんが、クレマティスに限っては、もう少し集めてみたいものです。

 

”ジギタリス・スノーシンプル”去年の苗が宿根したものはこのように立派になります。

他の宿根草は殆んど無肥料ですが、これにだけは、油粕を醗酵させた液肥をあげました。やはりジギタリスはど~んと大きい方がカッコイイものね!

ターシャチューダのジギタリス、人の背丈ほどあるのを本で見ましたが、厩肥(家畜の糞)の液肥をやっていたそうです。

 

 

黄昏時、紫色や空色がうきたってくる。

 

 

 何度も登場する和久井ガーデンの”ギガンチウム”ですが他の宿根草にはない存在感があります。

 

アフロヘアーのようなこのもじゃもじゃは、アリウムの仲間のねぎぼうず、巨大な球根です。

咲き終わって地上部が枯れたら、一旦堀上げて保存し、秋にまた植えるという結構手の掛かるやつです。

そうしてあげると、球根が一個ずつ増えていくるのだそうです。

我が庭では今まで植えっぱなしだったので、だんだん痩せて小さくなってしまっていたのです。

これを畑で作っている農家のおばちゃんに聞いたので、信頼できる情報です。

知らなかった!

草花に興味のない人には少し退屈でしょが、もう少しこの時期の宿根草を紹介しますね。

 

”キョウガノコ”綿菓子のようなこの花、古くから茶花としても親しまれています。

 

同じグループ(Hilipendula)の”オニシモツケ”なかなかでしょう!

 

 ベンケイソウに来ているのは何蝶ですか?なんとか豹紋?

どなたかご存知ですか?

 モナルダ(たいまつ花)の蜜には黄アゲハ?ですよね。

 これはモンゴルの飼い葉おけです。イギリスではトラフといって多肉植物をアレンジしてるのをよく見かけます。

和久井ガーデンはタイムなどのハーブ類とキウリとゴーヤが植えてあります。コンパニオン・プランティングの実験のつもりです。

メインガーデンとバックヤードを仕切る板塀と木製扉、上半分はホームセンターなどで売っている5ミリのワイヤーメッシュはめ込んでいます。

一年前に植えた、ツルサマースノーやポールズ・ヒマラヤンムスク、グラハム・トーマスなど香りのよい品種が茂ってきています。

今はゴーヤが絡み始めています。

このようにバックヤードとの境をしっかり分けることにより、お庭にメリハリがでてくるように思います。見せたくないごったくも隠せるしね!

サインボードには、Dont, look at my backyard!とあります。ジョークのつもりで書いたのですが、このあいだ見学に入らした92歳のおばあちゃんが

何か覗いちゃいけないものがあるの?と、のたまわりました。 すごい! わかってたんだ!

次回はみなさんにもお見せしますよ! 

 

突然ですが、これ何だと思いますか? 

これマルベリー、桑の実なんだよね。大きいでしょ!

これで毎年ジャムを作っているんですがね、このヘタを取るのが大変なんだよね!

でもこの香りと美味しさは、独特で止められません。和久井ガーデンブランドジャムの代表の一つです。

 

さて、あまり長くなると飽きてしまうのでこの辺にしておきます。

ところで私、和久井は今年から、仕事としての庭造りは極力減らしていく変わりに、和久井ガーデンの充実に力を注いでいこうかと考えています。

つまり私は和久井ガーデンの”お抱え庭師”となる訳でありますよ。いいでしょ!

これはもう究極の世界でありまして、イギリスではトーマス・リプトン家かエルトン・ジョン家の専属庭師になるようなものですから。

古いところでは”チャタレー婦人の恋人”になるという事なのですよ!・・・・・(この本読んでないと解からないと思うけど)

自分ちのお抱えになるのだから、残念ながら本のようなハプニングはないと思うけど。

いずれにしても、一つのお庭で年間、四季を通して手入れし続けるというのは、庭師にとって究極の愉しみではないのか、とこの年になって思うようになったというわけです。

何を隠そう、今を去ること40年前、私はアメリカはオレゴン州・ポートランドの日本庭園(海外の日本庭園としては名実共にNO,1との評価がある)のヘッドガーデナーとして

専属契約していた時代があっったのですよ。

話せば長くなるので(すでに長いか?)要点だけ話すと、私の師匠である自然風庭園の大家、小形研三の下での修行時代、5年目の私の給料は5万円でした。

The Japanese Garden Sosiety of Oregonでの初任給が日本円で50万円程だったのを記憶しています。

世界中から年間25万人以上の入場者のある、日本庭園のヘッドガーデナーという名誉ある恵まれた仕事にもかかわらず、若くて愚かであった私は(今はどうなのかと聞かないでください)

それが退屈で仕方なかったわけです。

1975~6年のアメリカといえばヒッピー文化の全盛時代であり、私などは、もろその影響を受けているわけであります。

それで3年間の契約も待てずに、南米に向けて半年ものバックパッカーひとり旅に出てしまうわけなんです。

今思うとなんてもったいない!というか愚かというか、その仕事、今私したいです!本当に!

でもこのオジサン、何故かこのときの旅のスタイルを60を過ぎた今も引きずっていて、いまだに重いバックパックを背負ってかみさんと二人、アジアの安宿を泊まり歩く旅を続けているのも何かの因縁でしょうか?

このことはいずれ、バガボン和久井”庭の旅”シリーズで紹介していこうかと考えています。

というわけで、誰も私を、お庭番として雇ってくれないので、和久井ガーデン専属で働く事にしました。

給料は出ないので、どうにかしなければいけません。

次回はそんな和久井ガーデンが今後どのように自立していくのか?などを踏まえ、いったい何を企んでいるのか、その全貌を明らかにしていきたいとおもいます。

う~ん!おもしろくなってきたぞ~!って 面白がってるのはお前だけだろ!

 

 

 

 

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(2013年06月20日)
投稿者:wakui

ご無沙汰していました。
約2ヶ月ぶりにブログ再開しようかと思います。
庭師にとって4月から6月にかけて一番忙しい時期であり、和久井ガーデンのほうも見学者の皆さんのためにもおろそかに出来ず、というあわただしい日々が続きました。
誰のためのガーデンなんだろう・・・? 

さて前回は周りの里山景観が急速に壊れていくことに対してのディレンマから思い余ってついついネガティブなボヤキに一人走ってしまったせいか、皆様からはあまり共感されなかったようです。
しかしながらこれらのことは私のもっとも危惧していることであり、どうしたら美しい里山風景を残していけるのかをこれからも皆さんと一緒に考えていきたいテーマのひとつであります。

外国人観光客が日本観光に求めるベストスリーに 

日本の正しい田舎の風景にふれたい
その地方のならではの食文化・名物を味わいたい
お花見がしたい

などがありました。大都会見物やディズニーランド詣では最下位のほうでした。
以外でしょう!
こういうニーズに自信を持って応えられる日本の田舎が果たしてどれ程あるというのだろう?
おっといけねえ!!また話が長くなりそうだぜ
そろそろ The best season of WAKUI GARDENでものぞいてみようか!

 

 

和久井ガーデンの入り口の丘からは佐久平が一望できます。

 

よく晴れた日は富士山も見えています。

ちなみにUFOはここではまだ見ていません。

 

 

見慣れた景色(古井戸と小屋)がでてきましたね。

その先に進んでみましょう。

 

 

おや!扉の向こうに誰かいますね。

サインボードには to the fool on the hill とありますが?

 

 

いましたね!

このひとは カネコさんといいます!

私の古い友人で植木屋さんの金子さんは、周りの職人たちがどんなに忙しく働いていても、夕暮れ時には

こんな風に肩を落として遠くを眺め,たそがれます。

この熊のぷーさんの脱力感がその金子さんと同じなんだな!

このあいだ我が家に見えた環境活動家でシンガーソングライターのアンニャ・ライトさんが

この熊さんの姿を見てこんなことを言っていました。

What am I doing here?(私はいったいここで何をしているんだろうか?)

忙しさに追われて都会暮らしをしている人々にこれを見せたいね!

などと頷きあったのですが、ウ~ンそんなに哲学的な思索をしていたのか カネコさんは?

でも、本当はカネコさん今晩の晩酌の焼酎を切らしているのを心配していただけなんじゃないかな?

と僕は思ってるんだけどね!実は!

 ハヤシさんの作品 箒にさかさまに乗った魔女 も Fool on the hill の脱力空間には欠かせません。

ここはこの魔法使いのおばあさん魔法によって時間が止まっているのかもしれませんね。

でもねこの家の二人はいつもウロウロ忙しくしていて、このハンモックに揺られる暇が訪れないという現実

これも魔法にかかっているのかもね!

さてこんなことしてる暇はない、次に行かなければ!

 

 バラのアンジェラとクレマティスのスノーフレイクが今ちょうどバランスよく咲いてきています。

デッキの上から覗いてみましょう。

今年はいつもより白が多くて明るい印象があります。

こぼれ種で増えたオルラヤのせいかな?

ギガンチウム(ネギ坊主)も膨らみ始めました。

 

 

一週間ほど前小諸コミュニティーTVの取材があるというのでバックヤードとの境に木の扉を作りました。

テレビというのでちょっと頑張っちゃったわけです。

21日(金)夕方6時20分過ぎから5~6分だそうです。

どんな風に撮れているのかちょっと心配、見なくていいですよ!

さて今回はこのぐらいにしといたろか!

次回はさらに和久井ガーデンの真髄に迫っていきますよ! 覚悟はいいかな?

(2013年04月06日)
投稿者:wakui

” 和久井ガーデンの四季”のタイトルで我が庭の画像をいくつかアップしてきましたが、皆様いささか食傷ぎみではないでしょうか?

みんなが庭や植物に興味あるわけではないでしょうからね。

もう少しで終わりますのでもう暫らくお付き合いください。(といいつつなかなか終わらなそうな予感)

さて皆さんにとって庭っていったいなんでしょう。 

私は植木や石、草花や花壇があるものだけが庭だとは考えていません。その家なりの庭があっていいのだと思います。

洗濯物や収穫した作物を干す場所であったり、食事やお茶を楽しむ場所としてあったり、キッチンガーデンでハーブを育てたり、焚き火を楽しんだり

使い道は自由、築山や枯山水がなくても立派な庭なのです。

イスラムの庭園様式から派生したパティオ(建物に囲われた中庭)が西はスペインから中国、韓国にまで造られています。

私は仕事のない冬の間、東南アジアを含めこれらパティオ文化圏を主に旅していますが、この庭の使われ方は実に魅力的です。

これについては追々”バガボン和久井庭の旅” というシリーズで紹介しようかと考えています。

皆さんは家の外に与えられた空間をどんな風に創造していくかなど、考えることって楽しくありませんか?

こんなクリエイティブな作業を造園屋さんに任せてしまうなんてもったいなくないですか?

なんて、それで飯を食ってきた私が言うのもなんですが・・・・・・!

でも本当はそれぞれが、その家なりの居心地のいい空間を自分たちで造りだしていけばよいのです。

そうです!我々はもうお仕着せの大手ハウスメーカーやエクステリア業者に家や庭をまる投げするのはそろそろ止めようではありませんか!

最近の住宅展示場のモデルハウスやエクステリアって見たことありますか?

高いローンを払って本当にほしい家や庭って正直ありますか?

周りの自然や里山風景に違和感なく同化する美しい家や建築物はは本当に少ないようにおもいます。

いつごろからでしょう、我々を取り巻く日本の風景というものがこんなに美しくなくなってしまったのは。

ガーデニングブームといわれていますが、プランターや花壇をどれほどキレイに飾ってもその背景となる景色が美しくなければ本物とはいえません。

イングリッシュガーデンが美しいのは周りの風景もしっかり絵になっているからなのですね。

日本庭園には”借景”(自然の風景を庭に取り込む)という素敵な技法があります。

しかしながら問題は、取り込みたくなるような美しい里山風景が我々の周りから急速に失われつつあることです。

古来からどの文化にも劣らぬほど、美というものに対して繊細な意識をもっていたはずの我々日本人は、いったい何処にそれを置いてきてしまったのでしょうか?

しかもこの僅20~30年余りの間に。

え~と!もうこの際ですから(どのサイなんだ?) ちょっと脱線して、我が家の周りでどのように風景が壊れていったのか、題して”残念な風景”VOL,1

というのをここでお見せすることにしました。何か問題あるかな~?

 

 以前は何もないそれなりに美しいため池でした。

ある時からマナーの悪いバスフィッシャー来るようになったため、村人らが鉄条網を張り、ついでに廃材を持ち寄り

つりクラブの拠点を作り、このような有様になりました。

私はね、廃材が良くないと言ってる訳ではないの、私自身ハイザイオジサンなんていわれてるくらいですから

ただこういう場所に使っていい、正しい廃材とそうでないものがあるということをいいたいわけなんです。

解るかな~?

ちなみに電話ボックスは釣竿を入れておくためのものだそうです。

これをシュールといえばそうなのかもしれない?

でもこの場にシュールリアリズムはいらない!残念度4!(国際景観監視委員会調査)んなもんあるんかい?

 

 桜が美しいだけに余計かなしい。残念度3!

これやったのね、同じ部落の仲良しつりクラブの人のいいオジサンたちなんですよ。

皆さんボランティアで頑張ってやったんですから!

新参者の私がこの人達に、こいうのどうにかならない?なんて言えますか?皆さんならどうしますか?

今はこの有刺鉄線にビニールマルチの残骸が引っかかってもっと凄いことになっています。

風で飛ばされてくるいろんなゴミ、私の目に付くところは拾ってますが、拾いきれるものではありません。

残念ながら多くの人達は、このように景色が壊れていくことに対しては殆んど無関心なようです。

 

 風景に同化しない物、それは土に還らないものである。残念度3!

電柱を地中化しろとまではいいませんが、背景の山々が美しいだけにこのギャップが痛い!

ブルーシートどうにかしてくれ!

他に変わるものないから仕方なく使ってしまうのだが、せめてこの色だけでもなんとかならないのか!

ブルーって風景にもっとも溶け込みにくい色ではないだろうか?

この問題いったい何処から攻めたらいいのか、皆さん一緒に考えてみませんか?

深い緑色とかこげ茶色ならどうでしょう。これ作ったら売れるんじゃないかな?誰か商売始めませんか!

収穫した飼料などをブルーシートで覆うため、重しに使う古タイヤが放置されている。

ここから富士山も見える眺望ポイントである。残念度4!

 

 自分の敷地ならなにを置いてもいいのか?残念度4!

 

猫一匹通ることのない 地下歩道入り口、こんなものにいったい幾らかけてるんだろう。

我らの税金を使った醜悪な無駄使いとしかおもえない!残念度5!

このシリーズやりだすとキリがなく、どんどん滅入ってくるのでもうこのぐらいにしておきます。

それにしても我が家からわずか数分でこんな見事な風景が撮影できてしまうなんて。涙、涙(絵文字ができないオジサン)

世間では信州の風景がまるでブランドのように謳われているけれど本当にそうであろうか?

小諸在住で友人のドイツ人、ヘンドリックさんは、東北や富山の方がまだ正しい田舎風景が残っていると言っています。

よく散歩する千曲川近辺がゴミだらけなのをいつも嘆いています。私も同感です。

我らはいつのまにか信州ブランドなどという幻想に胡座をかいていい気になってはいないだろうか?

 

というわけで今回はついつい血走ってしまい、和久井ガーデンの四季からあらぬ方向に脱線してしまいました。

でも我が庭だけが美しければ回りはどうでもいい、というのはいかにも貧しい、単なるお庭自慢、手前ガーデンで終わってしまいます。

え! そうじゃなかったの? といわれればそうともいえます。イヤそういう部分もあります。(正直なボク・・・・シュン)誰か絵文字入れてくれ!

しかし還暦を幾つか過ぎたこのごろの私は、今真剣に悩んでいます。

このままストレス(周辺の残念な風景)を抱えながら縁あって与えられたこの場所を終の棲家として、住み続けるべきか?あるいはまた新天地を求めて幌馬車隊を組み

和久井ガーデン移住計画を断行すべきか?二者択一を迫られています。

しかも自称フェミニストの私はこの重要な決断を独断しようとはせず、常にパートナーである妻の意見を尊重しつつ進めているので

容易にに結論が出ません。

もっともこの問題は今に始まったわけではなく、いくつもの新天地候補を私に付き合って見せられてきた親しい友人達からは

あ~! あれはホラ!和久井さんのいつもの病気ですから! と冷たくあしらわれている始末です。(涙・涙)

誰も私の深い悩みを理解してくれません・・・・・・・!"Nobody knows the trouble I've seen"というゴスペルあったよね!

あ~!ゴメン!つい私の音楽ジャンルの幅の広さをひけらかしてしまって。

 

申し訳ありません! コラムメンバーの皆様! 格調高い皆様のコラム欄を一人レベルダウンしているのは私です。自覚していますハイ。

次回は気を取り直して和久井ガーデンの四季VOL5(咲き誇る宿根草・美の饗宴)ホントカヨ?お送りする予定です。

(2013年03月26日)
投稿者:wakui

 和久井ガーデンは、元は林檎畑の斜面に造られていて、上の入り口から順に4っつのステージに分かれています。

今まで見てきた庭の画像はセカンドステージにあり一応ウェルカムガーデンなどと呼ばれています。

 

 それではここを抜けて第3ステージに降りてみましょう。

あっ!ちょっとその前にこの絵の手前の石垣ガーデンの画像が出てきたので見てください。

 段々畑の石垣をイメージし、近くの沢の石を拾い集めて積んでいます。

高低差をうまく生かすと立体感のある庭を楽しめますね。

私は里山の田んぼや畑の石積みの美しさにいつも目を奪われます。

おそらく昔のお百姓さんが丁寧に積み上げたものでしょう、当然セメントなど使うこともなく、空積みですが

年月を経ても崩れることはありません。その技術の確かさには脱帽です。。

一度石積みのワークショップみんなでやったら面白いですね。

和久井ガーデンの石垣は時々崩れます。まっ!それがロックガーデンの味わいでもあるのでね!

 

 ついでにこういう絵もあったのでお見せしてしまいます。

手前にあるのは”なんっちゃって日時計”古い石灯ろうの竿に乗せています。

まともな日時計は(英国製)ちょっとお高いのでね!

こういうのをガーデンオーナメントなどといいます。隣のウサギはイギリスから来ています。ただしこういう小物を使うときは注意が必要!

可愛くなり過ぎてはイケマセン。

ホームセンターのガーデンショップなどによくある”七人の小人”だけは止めようね!

さて、オーナメントやフォーカルポイントに関しては、また次回に取り上げることにして先に進むことにします。

 

 第3ステージを上から見るとこんな感じ。意外と狭いでしょ!

背の低いシュラブ(潅木類)から先に芽吹きはじめ次第に高木類に移っていきます。

自然てよく出来てるよね!

球根類も咲き始め早春の盛りですね。

 

 6月にはいるとこんなに茂ってきます。

ガーデニングというと、花屋の店先に売っている主に一年草などのお花を植えることとイメージしている人が多いかもしれません。

我が家にあるのは宿根草や潅木類、グランドカバープランツなどが主流です。

なかでもカラーリーフプランツ(色物)を意識的に組み合わせています。

 

 これらは花がない時期でもカラフルな葉の色合いのグラデーションを楽しむことが出来ます。

草花の色や背丈、またはテクスチャー(質感)など、それぞれの植物の個性をどのように組み合わせ配置していくかは

庭師の腕の見せどころ、醍醐味ではないでしょうか。

などというといかにもエラソウですね!

まあ、それほど厳密なものでもありません。好みの問題でもありますから。

ただ私は毎年植え替えをしたり、足したり引いたりしながら理想的な組み合わせを模索しています。

ですから庭は毎年姿を変えています。

よく和久井ガーデンは何時が見ごろですか?と聞かれますが、宿根草の花期は短く、あっという間に次の花へと移り替わっていくので、

今がベストというが難しい、その時々がベストなのかもしれません。

だからこうして写真に記録しておきたいのかもしれませんね。

 

さて皆さん!いきなりではありますが、ここで少し花の名前を勉強しませんか。

この辺りの里山で春一番に咲くこの黄色い花はなんでしょう?

これは3月24日和久井ガーデンのリアルタイムの画像です。

 

 同じくこの時期に咲くこの花は?

なんて、じらしてもしょうがないので答えをいいます。

先の少し黄緑がかった花はクスノキ科の落葉高木”ダンコウバイ”。後のは”サンシュウ” (ミズキ科かな?)でした。

サンシュウのほうが黄色が鮮やかなのと、一般的には庭木として植えられているので見分けがつくでしょう。

 

 今庭で咲き出しているのはこのクリスマスローズくらいでしょうか。

関東ではこれ、クリスマスのころから咲き始めるのでこの名前があるという訳ですね。

 

 はい!では芽を出したばかりのこの花の名前わかった人、あなたはプロです。明日から和久井ガーデンのスタッフになれます。

なんて、分るわけね~だろ!って誰か突っ込んでくれませんか?

これは春の庭をキュートに彩る”タイツリソウ”の芽だしで~す!・・・・・・・

え~と!ところで皆さん!私についてきていますか?

私ひとり遠くへ行き過ぎていませんか?調子に乗って暴走する私を誰か止めなくていいのでしょうか?

いい加減にしろ!という声が聞こえるので今日はこのぐらいにしておきます。

何かご意見ご感想があればお聞かせください。

 

 

 

 

 

 

(2013年03月15日)
投稿者:wakui

こんにちわ!和久井です。

過去の画像を含めてですが、引き続き”和久井ガーデン”の四季をアップしていきます。
あ!そうそう実はこんな話がありましたよ。
アサマdeの管理人、坂口さんが和久井ガーデンの取材で載せた画像を見た、CM会社のプロデューサーから電話があり、某○○テル入ってる?のCMを我が家で撮りたいということでした。

我々に一週間ほどホテル住まいさせ、この家を借り切って撮りたい、報酬はもちろんそれなりに!などというとんでもない話が急にとびこんできた訳であります。

ゲ!敵は○○テルか!どうしよう?報酬はそれなり!て・・どれなりなんだろう?などとつまらぬことを考えているうちに女優(井川はるか)のスケジュール調整とかの問題もあり、結果この話は無事お流れになったのでありました。

後にそのCMを見ましたが、背景の絵がぜんぜんイケテなくて、な~んだこれならウチの方が断然よかったのに!
などと手前贔屓・自画自賛をさらけ出す私でした。
だけどこういうのって、どこで誰が見てるかわからないもんだね!などと坂口さんと驚きあったものです。


和久井ガーデン平面図

え~と!和久井ガーデンはだいたいこんな風になっているわけですね。
この絵はだいぶ前に描いた計画図で、今はまた少し変化していますが、これからアップする画像がだいたい何処を撮ったものか
お判りいただけるかと思います。

小屋に絡まって咲く白い花はクレマチス・モンタナのスノーフレイク。成長が早く4~5年でこのぐらい伸びます。
特に剪定の必要はなく丈夫で育てやすい品種です。

クレマチスは何百種類もの魅力的な園芸品種があり、信州の冷涼な気候には適しています。
集めだすと切りがない世界です。僕ははコレクターではないので気に入ったもの数種類あれば十分です。

ヒドコートブルーにペイントした窓は廃校になった小学校の給食室からもらってきたものです。
当時我々セルフビルダーは横の繋がりがしっかりしていて、いつ何処の解体現場でどんな廃材がゲットできるかなど、情報交換しあっていました。

こういう人達が集まって昔”みどりのオジサンバンド”というのをやっていたんですが、別名ハイザイオジサンともいわれていました。(笑)
え~正しいオジサンの在り方としては、時々こういう方面に脱線しますが、あまり気にしないでくださいね!

この場所は陽だまりで乾燥気味なので、しそ科のハーブ類を植えています。

同じ場所ですが6月中ごろになるとバラのアンジェラが咲き始めます。
バラは凝りだすと深みにハマるようです。好きなバラは何種類かありますが私にはコレクションの世界はよう解かりません。
ハーブ類もだいぶ茂っていますね。

中央の銀青色はプンゲンストウヒ・ホプシーといって日本ではちょっとお高いコニファー(針葉樹)です。前の画像にあったドイツトウヒが巨大になる前に植え替えました。

大きな幹は生きた化石といわれるメタセコイア(落羽松)。小さいのを植えて15~6年でこうなる、恐ろしい。
階段脇は土留めをかねたロックガーデン。
ロックガーデンとは石や瓦礫を使い、山のガレバのような環境を人工的に作ることにより、高山系や匍匐性の植物を植えて楽しむ庭のことです。
ガーデニングの本場イギリス的アイディアですね。

我が家のロックガーデンは年月と共に周りの木が茂り、日陰になり、ロックガーデンらしさから遠ざかりつつあります。

小諸駅前の停車場ガーデンに造ったロックガーデン

ロッキー山脈の一角をイメージしたつもりですが背景ばかりはどうすることも出来ない! 

逆光に映えるオキナグサのシルエット、ロックガーデンの醍醐味だ!
お気に入りの一枚。

この続きは次回ということでよいでしょうか。
私ははフェイスブックをしてないので皆様にコメントできないのが残念です。

坂口さんがそのうち何か考えてくれるそうです。

(2013年03月12日)
投稿者:wakui

皆さんこんにちは! 和久井です。                                                      

佐久平を見下ろす浅間山の南斜面のりんご畑を譲ってもらい念願だったセルフビルドの家を建てて早二十年になります。
当時はただ同然であった枕木や古材を土台や柱に使い多くの友人達の手伝いもあり出来あがったこの家は、いまだにしっかり風雪に耐えているようです。
自分たちの庭を造ることなど考えていませんでしたが、庭師という仕事柄、実験的な意味で さまざまな植物を植え込んできました。

5~6年程前から何故か雑誌やテレビなどでも取材されるようになってきたのですが僕は人様のお庭を造ることが本業であり、自分の庭造りなどどうしたって後
回しになってしまうものです。

そんな訳でまだまだ未完成な我が庭を公開するなどどうなのかな?という思いもありました。

それでも朝の光を浴びる 早春の草花や球根類、夕暮れの淡い光に浮き立つ宿根草のグラデーションなど、自分でもはっとするような一瞬の輝きに出会うことがあります。

こういうのを手前味噌ならぬ“手前ガーデン“とでもいうのでしょうか、ともかく”和久井ガーデンの四季”を楽しんでもらえたら嬉しいです。

 
アメリカザイフリボク(ジュンベリー)の花

ジュンベリ-は5月の初旬、淡雪のような白い房状の小花を一斉に咲かせ、6月には紫に熟した美味しい実を枝先いっぱいに付けます。
秋には紅葉も楽しめ病害虫にも強いという、和久井ガーデンお勧めの落葉花木です。


ジュンベリーの実

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カテゴリー: プロフィール
(2012年12月10日)
投稿者:wakui

 

和久井道夫:ガーディナー
1950年須坂市生まれる。自然風庭園の大家・故小形研三の下で庭造りの基礎を学ぶ。
1973年渡米し、オレゴン州ポートランド日本庭園協会のヘッドガーデナーとして庭園造りに携わる。帰国後は、和洋にこだわらず住む人の暮らしに即した居心地のいい空間創りを提案し、各地で多くの庭を手がける他、玉崎弘志氏(モネの庭)、白井温紀氏(洗濯物が似う庭)らとコラボレイトによる仕事がある。( 「信州で楽しむナチュラルガーデニング」より)
人にとって”居心地のいい空間とは”を求めて各地を放浪するのがライフワーク。さすらいの庭師”バカボンド和久井”と呼ばれている。