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December 2021 の投稿一覧です。
カテゴリー: 映画音楽
(2021年12月27日)
投稿者:suoyon
マダムと女房






『マダムと女房』  (ヴィンテージ映画勝手に感想シリーズ!)

で、日本初のトーキー映画はというと1931年松竹の『マダムと女房』。
『ジャズ・シンガー』に遅れること4年、、、でもでも飛行機での
行き来のない時代、いろんなものは船で日本にやってきて、そこから
あれこれ情報得て開発したり、製作したりなので4年は凄いかも!
それに『ジャズ・シンガー』はサイレントが大半なのにこちらは
完全なトーキー。大阪松竹の土橋兄弟が技術開発した土橋式松竹フォーン
というサウンドトラック方式とのこと。

『マダムと女房』五所平之助監督 主演は渡辺篤、田中絹代
この時代の田中絹代さんいろんな映画で主演してて凄いです。
ただ当初、田中さんは喋りに方言がありトーキーに自信なかったらしい。
しかし最初の主演女優がスキャンダルで途中から撮影に来なくなってしまい
ピンチヒッターで田中絹代登場となったらしい。
内容はコメディタッチの日常性のドラマ。主演の渡辺篤は浅草
オペラ出身のせいかギャグ的なセンスもあり、肩の力抜けた
今に通じる普通の感じがいい。北野武監督が好きな俳優のひとりに
あげているがうなずける。
音楽・・・劇中音楽はないが、隣の家にやってくるジャズバンドが
劇中音楽の役割をしている。ジャズと言っても1931年ですからね。
Trp,Trb,Alto&TenorSax,Banjo,Drums,Xylophoneそして歌という
編成でオリジナル曲「スピード時代」「スピードホイ」が演奏される。
また、冒頭、主人公が「巴里の屋根の下」を口ずさんでいるのもオシャレ!
映画『巴里の屋根の下』は1930年のフランス映画だから取り入れるのめちゃ早!
とにかく日本的な教訓とかお説教系ではなく洋風なセンスで日常を淡々と描いている。
カテゴリー: 音楽
(2021年12月19日)
投稿者:suoyon
IMG_1823



長久手、風のホールにて
弦楽レコーディングの授業。

客員教授をしている名古屋学芸大学では
一昨年までスタジオでの
String Quartetのレコーディング演習を行って
いたが新しいシリーズになり、ホールレコーディング。
一発録りです。マイクの位置とかの勉強にもなるわけです。
やはり天井の高いホールでの演奏は響きがいい。

音大ではないのでクラシック音楽を目指すということではなく
打ち込み中心になりがちな現代の若者の音楽を
少ない音だけで構成する作曲も訓練しようと提案したもの。
大阪スクールオブミュージックでも15年以上前から
毎年行っていてこちらはスタジオレコーディングで
1月に開催。
カテゴリー: 映画音楽
(2021年12月15日)
投稿者:suoyon
ジャズ・シンガー2


世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』(1927年)。

活動写真、無声映画の時代から、映画に音がつくようになった長編作品の第1作。
とは言え、70%はサイレント・字幕に音楽をつけたスタイル。

歌、演奏のシーンがトーキーでその前後に少しアドリブ風なセリフ
「Wait a minute,wait aminute.You ain't heard nothin' yet!」が
世界初、映画からセリフが聞こえたシーンになる。

写真はDVDのジャケット。
黒塗りで歌うのは19世紀に流行ったミンストレル・ショーの名残り。
白人が黒人の真似をするのが、この時代でもあったんだ、ということがわかる。

内容はニューヨーク、ユダヤ教司祭の息子が歌手になりたいのだが
厳しい父が許さず、家出をして歌手になるというもの。
最初に10代の主人公が居酒屋ライヴで歌うが1曲めはスローでいい曲、
2曲めはラグタイムのリズムに乗ったもので、ダンスはM.ジャクソンの
ムーンウォークの原型か?!とも思わせる動き。
ジャズといってもニューオリンズでジャズが生まれたのが1900年頃、
1920年代だとまだスウィング・ジャズも出来ていない、ラグタイム風な
リズムに歌っている感じ。今見るとあまりジャズ風には感じない。
全然下品ではないが、夜の居酒屋で歌うような音楽、当時はいかがわしいほうの
部類だったのかもしれない。リズムに乗って譜面に書いたとおりじゃなく、
その歌手のニュアンスで自由に歌う雰囲気が生き生きしていて、それが
ジャズと言われて白人の間にも広まったのだろう。差別の時代が
ずっと続くのに、白人もジャズに熱中したのは映画「コントンクラブ」でも
描かれたいた。
主役のアル・ジョルソンはなんと19世紀末リトアニア生まれのユダヤ人。
そんな移民の方がアメリカを代表するジャズの映画の主人公、
アメリカってすげえ国だ。
大人になり歌手として活躍する主人公が「ブルースカイ」を歌うシーンがあり、
ジョルソンはメロディを自在にフェイクしている。今で言うミュージカル風な歌い方とも言える。
すでにブロードウェイではミュージカルが全盛を迎えていた頃だし。
この「ブルースカイ」はアメリカのスタンダード歌曲の大御所アービング・バーリン
(「ホワイトクリスマス」の作曲が有名)の作曲だが、
この方もロシア(今のベラルーシ)生まれのユダヤ人。
やはりジャズ・スタンダードは黒人のリズム、ユダヤのスケール感覚(西欧ドレミファソラシドを外す自在なムード)
のメロディからできてるといってもいのかも。おおまかですが。
ちなみにジョージ・ガーシュウィンもベニー・グッドマンもユダヤ系ですね。
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