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ドラマーJimmy Cobbが91歳で亡くなったとのこと。
なんと言ってもJAZZの歴史的名盤Miles Davis『KIND OF BLUE』(1959)に
参加ということが大きい。
マイルス・バンドではフィリー・ジョー・ジョーンズの後釜がジミー・コブでこの後に神童と言われたトニー・ウィリアムズが控えている。

『KIND OF BLUE』は高校の頃初めて聴いた。
「So What」というモード手法の
礎となった名曲、「Blue In Green」「Flamenco Sketches」の静かなムードが独特で好き。
このハーモンwithout stemミュートの音色はどうしてもマイルスの音色が焼き付いちゃってます。またマイルスはテクニカル派じゃないから歌心ある即興演奏が上手いのです。
チャーリー・パーカーがバップっていう概念を作り出し、ここからがホンマモンのJAZZなんでしょう。(スウィング・ジャズはスウィング・ジャズで硬く言えばジャズの外)しかしバップ、ビバップでコード進行が複雑に高度になりすぎ、インプロヴィゼーションが行き詰まった。
そこでオーネット・コールマンなんちゅう人がフリージャズなることを始めた。
もうひとつの流れはこのマイルス、コルトレーンなんかが推し進めたモードのジャズということになる。

『KIND OF BLUE』では歌モノ・スタンダード曲のジャズ化はしていなくてドリアンモードの「So What」以外はブルース形式の応用が多い。
モードは1960年代に大きく発達した。そこにはマイルス、コルトレーンはじめウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック、チック・コリア、マッコイ・タイナー、フレディ・ハバード、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ等、当時新主流派と呼ばれたミュージシャンの功績が大きい。以外にもモードの礎「So What」でピアノ弾いてるビル・エヴァンスはその後自分のトリオではあまりモード・ジャズはやっていない。
モード手法の演奏概念は難しくプロでも相当レベルでないと無理かもしれない。
ロックの1発コードモノとも異なる。
アート・ブレイキーのバンドが1960年頃に来日したときに、そのバンドにいた若きサックス奏者ウェイン・ショーターが日本のジャズミュージシャンにモード手法を手ほどきしたというエピソードがある。
コード進行で敷かれた
レールを走るのと異なり、モードでは自分でレール敷きつつ走る、とでもいうところか、でいてフリーではない、解決感よりも浮遊感、ロマン派でなく印象派、みたいな、大まかな例えですが。
自分の作曲でもこのモーダルな世界を一応追求しているっちゅうわけです、ジャズのインプロ系とはまた少し異なりますが。
ジミー・コブはコルトレーンの『Giant Steps』(『KIND OF BLUE』と1959年の同時期にレコーディング)の「Naima」というこれまた名曲、にも参加してますね。