過去の投稿

February 2015 の投稿一覧です。
カテゴリー: 雑感
(2015年02月16日)
投稿者:suoyon

この日は大阪で作曲の教え子たちと食事会。北堀江にあるお洒落なイタリアンの店。

北堀江は心斎橋筋長堀通りを西に行った辺りで、お洒落なお店が多い。

僕が現在数々の映画音楽賞を受賞している(なんと4つも受賞!ありがたきことです)ので、そのお祝いをしていただいた。教え子たちにこうしてもらえるなんて感激感激!!みんなとの話も盛り上がり、食事も美味しく楽しき時間を過ごせた。教え子のひとり竹中円香はCMなどの作曲で活躍、ちょっと前まではバイトしつつだったが現在は作曲で生活できているとのこと、素晴らしい!竹中、おめでとう!2年前の弦楽四重奏セミナーでも竹中は4度和声中心の凄い作品を提出、単なるポップの域を超える作曲へ拡がった。20代前半ながら作曲仕事をこなしてきたちょっとした自信がどこか落ち着いた雰囲気、頼もしい。

もうひとり水口晴香はシンガーソングライターでもあるが最近の活動ではエクザイルの弟分にあたるエクザイルトライブの作詞を担当し、オリコン2位の大ヒット。水口、おめでとう!凄い活躍である。歌心のあるメロディメイカーで僕がプロデュースした児童養護施設のためのボランティアのアルバムづくりにも協力してくれて1曲参加している。またその時のライヴにもキーボードで一緒に演奏した。

花下佳愛は現在短編映画の音楽を担当。その作品は沖縄映画祭に出品されるらしい。はじめての映画音楽をこなしたばかりでとても良い経験を積んでいる。

彼女は起用にいろんな技術を身につけているがオリジナリティに疑問があった。しかし最近の作品で従来的なコード進行を排しドリアンモード、リディアンモードという僕の授業で学んだ作曲手法を取り入れた、そして自分のアイデンティティのある作品を書いてきた。これには驚いたし先生としては、こんな嬉しい事はなかった。素晴らしき進化だ。

別に先生だからといって僕の感性を引き継いでくれなくても良い。感性は先生、学生、対等だ。ただもし自然に影響受けてくれたならばそれはちょっと嬉しくもある。

ここに集まった誰もが音楽へのスタンスが誠実でチャレンジする心のある人達なのがなにより嬉しい。学ぶということは自分の情緒だけで判断するのではなく、客観的事象、理論を身につけ作曲への手法の幅を広げること。そして最後は勿論感性で勝負ということになる。理論だけで作曲しろということではない。歴史で優れた先人の様々な事例をまとめたものが理論なので、自分だけの狭いところにとどまらないのには過去の事例を知ると便利。でもそんなこと一人で調べられることではないので、それをまとめたものが理論という名前で世の中に出ているだけで、理論だけで作曲なんかできない。そこを勘違いしていては困ってしまう。

最近は大阪での作曲セミナーに中年の音楽家が集まり、みんなもう一度勉強しようとしているのが素晴らしい。自己流でやってきたがどうしても行き詰まるし、気分だけでは限度があるので改めて学びたいというアマチュアミュージシャンが多い。そういう方々は僕の講義を食い入るように聴きメモをとっている。こちらも思わずノッてしまう。そこは人間力というか熱い情緒がものを言うと感じる。

しかし話戻って、この子たちに囲まれていることも幸福な時間だ。

みんな若く輝いている。自分もそのくらいの歳の時そうだったのか・・・あまりに時間が経った。きっと輝いていたのかもしれないし、そうでなかったかもしれない。でもとにかく今でも音楽活動を継続していることが受賞にも繋がっていてちょっとは輝いているんじゃないかな、なんてね・・・オジサン、いやいやセンセーもまだまだヤりますぞ!

北堀江で

カテゴリー: 映画音楽
(2015年02月11日)
投稿者:suoyon
スピーチする周防義和

2月10日川崎駅前にあるミューザ川崎シンフォニー・ホールにおいて第69回毎日映画コンクールが開催されました。

私周防義和は映画「舞妓はレディ」で音楽賞受賞、大きく重いブロンズの像を授与、感激!。

主演男優賞に綾野剛、主演女優賞に安藤さくら、助演男優賞に伊藤英明、助演女優賞に池脇千鶴、田中絹代賞に

鈴木京香などなど、たくさんの映画人が集った。華やかな場所!こんなにたくさんのカメラフラッシュのシャワーを浴びて一瞬スターになったかの如く・・夢の時間でした!

周防正行監督、桝井プロデューサー(舞妓はレディのエグゼクティヴプロデューサー)もかけつけてくれた。

69年という歴史の権威ある賞、コメディタッチの作品では不利とされながらこの「舞妓はレディ」で受賞した意義は大きい。

10程のミュージカルシーンの為の歌は舞台系のすごくメリハリある盛り上がる歌ではない、しかしそれこそが映画ならではのさりげなくいけるミュージカルソングとも言える。そして日本語のミュージカルという高いハードル。セリフから歌になるのは普段の生活にない不自然なのは当然だが、嘘とわかっていてでもできたら自然に繋がるために作曲も凄く意識したと同時に音響的な仕上げを丁寧に作業した。また全体のヴィジョンを考えていた周防正行監督の構想の素晴らしさには敬服する。なによりも京都舞台のファンタジー、その物語が奥深い。

そのストーリィの中でびっくるするようなインパクトの歌ではないがじわっとブレンドする歌を目指した。作詞の周防正行監督、種ともこに多大な感謝をしている。また一生懸命歌うことに取り組んでいただいた主演の上白石萌音をはじめ長谷川博己、富司純子、草刈民代、竹中直人、渡辺えり、田畑智子、大原櫻子、高嶋政宏、濱田岳、中村久美(敬称略)らのプロ意識の凄さに感銘し、

音楽スタッフの和田亨音楽プロデューサー、作曲アシスタントでメインテーマのコーラス編曲と劇伴2曲の作曲担当したJirafa,レコーディングエンジニアの小幡幹男、長谷川巧、多くのアシスタント・エンジニア、ヴォイストレーナーの内川佳子(敬称略)、また1曲だけ以前に作曲された「夜の終わりに想う歌」作詞のtomo the tomo,コーラス参加の東京スクールオブミュージックの皆さん、

レコーディング参加の泉尚也、三沢泉はじめ多くの演奏家のみなさんもほんとうに素晴らしい仕事しました、ありがとうございました。

 

俳優の皆さんとは音域チェックにはじまり、作曲demoでの打ち合わせ、ヴォイストレーニング現場にも行ったりして歌唱指導したり、そして撮影用のレコーディング、そして撮影立ち会い、その後のアフレコでの歌録りと、こんなに長く関わった現場もなかったので感慨深い仕事でした。

第69回毎日映画コンクールの表彰式は2月15日(日)19:00~19:54 テレビ神奈川でオンエアとのことです。

写真は私のスピーチの瞬間(重いブロンズ像持ちながらしゃべるの、なかなかデス)。photo:Jirafa

カテゴリー: 雑感
(2015年02月03日)
投稿者:suoyon

湯川さんに続いてついにジャーナリスト後藤さんが殺害されてしまった。イスラム国と呼ばれるテロ集団の酷い殺戮はいかなる言葉を持ってしても正当化できるものではない。後藤健二さんはイスラム国になんら害を与えたわけではなく日本人ということで殺害されたのは悲劇というしかない。

 

しかし日本政府の行動、事件への対応が必ずしも正しいものとは思えない。昨年8月に湯川さん、10月に後藤さんが同地域で行方不明になっていることを政府は承知している事実がある。安倍首相はイスラム国周辺の中東諸国への2億ドルの資金提供は人道支援と言ったが、カイロでの演説では「ISILと闘う周辺各国に対する支援」とはっきり述べている。つまりアメリカ、イギリスなどに呼応する国としての責任を明確にしているが、事件後は「人道支援」と言葉を変えた。嘘をついている、全くいい加減な首相と言える。一国の首相としてカイロでの時点であの人は言葉を選ぶべきだった。

カイロなど中東地域への歴訪は日本企業のトップを引き連れての経済外交の面が多々あったとも聞く。かねてからあの首相はトルコにも原発輸出外交を展開している。

 

TBS国会担当記者の武田一顕氏も「政府のアメリカ様に媚び売った態度が・・」と2日夜の「荻上チキセッション22」で何度も「アメリカ様」発言をし、政府のテイタラクを述べている。また安倍首相は「邦人救出に自衛隊の行動も考えなければ」となっているが、それこそ憲法違反である自衛隊の海外での武力行使、集団的自衛権行使容認はいっそうの海外にいる日本人、海外の日本企業を脅威にさらすことにもならないだろうか。元内閣官房副長官補の柳沢協二氏はそう述べている。

 元外務省国際情報局局長の孫崎享氏も「軽々にイスラム社会への武力行使に繋がる行動をすべきではない」「フランスでも風刺週刊誌テロが起きイスラム社会と西側諸国の対立がここ数年で最も緊迫した時期に、このような発言をすれば何らかの危険が起こりうると考えるべき」と述べている。

政府寄りの立場をとる向きからは「やるべきことはやったのでこれで良かった」「日本とヨルダンの協力でいい関係が築けた」「アメリカにも評価された」などが聞かれるがそれは違うと思う。湯川さん後藤さんの死をあまりにも軽んじているとしか思えない。

 戦地での弱者への取材で素晴らしいジャーナリストとしての活動で我々に様々な事実を伝えた後藤健二さんに謹んで哀悼の意を捧げます。

最新記事一覧
yukko project
プロフィール
ミュージシャン
映画音楽
雑感
音楽
 
 
 
このペーのトッップ↑